暖房器具の電気代を種類別に徹底比較!節約につながる選び方とは
近年の燃料費高騰により、家庭の電気代負担が増えています。特に冬場は、暖房器具の使用が増えることで電気代も高くなりやすいため、より経済的な暖房器具を探している方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、暖房器具の種類別の電気代を比較し、節約につながる暖房器具の選び方もご紹介します。
なお、記事内の電気代シミュレーションでは、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電力料金の目安単価「1kWhあたり31円」を基準としています。
暖房器具別の電気代比較
暖房器具の電気代は、種類によって大きく異なります。主な暖房器具の電気代を下表にまとめました。
| 暖房の種類 | 1時間あたりの電気代(目安) |
|---|---|
| エアコン(暖房) | 約15.5円~46.5円 |
| こたつ | 約2.5円~18.6円 |
| ホットカーペット | 約6.2円~22.9円 |
| 電気ストーブ | 約10.2円~37.2円 |
| オイルヒーター | 約18.6円~46.5円 |
| 石油ファンヒーター | 約5.5円~5.6円 (石油代を含めると13.4円~30.6円) |
| 電気毛布 | 約0.9円~1.9円 |
ここでは、それぞれの暖房器具にかかる電気代を詳しく見ていきましょう。
エアコンの電気代
エアコンの暖房にかかる電気代は、エアコンの消費電力によって異なります。
一人暮らしの部屋で使用されることの多い「6畳用(500W)」のタイプと、リビングなどの広い部屋で使用されることの多い「12畳用(1,500W)」のエアコンの電気代の違いは、以下の通りです。
| 畳数の目安 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代(目安) |
|---|---|---|
| 6畳用 | 500W | 約15.5円 |
| 12畳用 | 1,500W | 約46.5円 |
※上記は目安であり、メーカーや商品によって異なります。
エアコンの暖房にかかる電気代は、1時間あたり約15.5円~46.5円が目安となります。
他の暖房器具と比較した場合のエアコンのメリット・デメリットは、以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 広い部屋全体を効率よく暖められる | 初期費用が高め |
| 冷房・除湿機能もありオールシーズン活躍 | 部屋が乾燥しやすく加湿が必要 |
エアコンは、部屋全体を長時間暖めたい場合に適しています。なお、エアコンは設定温度の管理によって電気代を節約できるため、適正な温度設定を心がけることも大切です。
こたつの電気代
こたつは、熱源の違いによって消費電力が変わることから、1時間あたりの電気代も種類ごとに異なります。
熱源別のこたつの消費電力と、1時間当たりの電気代を、下表にまとめました。
| 熱源 | 消費電力の目安 | 1時間あたりの電気代(目安) |
|---|---|---|
| フラットカーボンヒーター | 300W | 約9.3円 |
| 石英菅ヒーター | 450W | 約14.0円 |
| ハロゲンヒーター | 600W | 約18.6円 |
※上記は目安であり、メーカーや商品によって異なります。
こたつの電気代は、1時間あたり9.3円~18.6円ほどです。なお、熱源の種類だけでなくこたつの大きさや省エネ機能によっても消費電力は異なります。
また、強弱の設定によっても消費電力は異なるため、電気代を節約するには「弱」での使用を意識することも大切です。
他の暖房器具と比較した場合、こたつには以下のような特徴があります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 電気代が安く省エネ | 部屋全体を暖める効果は低い |
| 体の芯から温まる | こたつから出ると寒さを感じやすい |
こたつは省エネを重視しつつ、足元をしっかり温めたい人に向いています。
ホットカーペットの電気代
ホットカーペットは大きさによって消費電力が異なり、電気代にも違いがあります。
例えば、ホットカーペットの大きさや消費出力が以下の設定である場合、1時間あたりの電気代目安は次の通りです。
| ホットカーペットの大きさ | 消費電力 | 1時間あたりの電気代(目安) |
|---|---|---|
| 1畳用 | 200W | 約6.2円 |
| 1.5畳用 | 370W | 約11.5円 |
| 2畳用 | 500W | 約15.5円 |
| 3畳用 | 740W | 約22.9円 |
※上記は目安であり、メーカーや商品によって異なります。
なお、ホットカーペットは出力を調整できる製品が多く、弱モードで使用することで電気代を抑えることができます。
他の暖房器具と比べた際のホットカーペットの特徴は、以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 足元からじんわり温まる | 部屋全体の暖房には不向き |
| 使用面積を選べる | 床に長時間座ると体に負担がかかる場合もある |
ホットカーペットは、足元の冷えを重点的に解消したいときにおすすめです。
電気ストーブの電気代
電気ストーブは、熱源の違いによって電気代が異なります。
電気ストーブの種類ごとの消費電力と1時間あたりの電気代を、下表にまとめました。
| 電気ストーブの種類 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代(目安) |
|---|---|---|
| ハロゲンヒーター | 330W~1,000W | 約10.2円~31.0円 |
| カーボンヒーター | 450W~900W | 約14.0円~27.9円 |
| セラミックヒーター | 610W~1,200W | 約18.9円~37.2円 |
| パネルヒーター | 500W~1,200W | 約15.5円~37.2円 |
※上記は目安であり、メーカーや商品によって異なります。
短時間で効率よく暖めたい場合は、ハロゲンヒーターやカーボンヒーターがおすすめです。これらは狭い範囲を素早く暖められるため、脱衣所やトイレなどの限られたスペースでの使用に向いています。
一方、広い部屋全体を暖めたい場合は、セラミックヒーターが適しています。赤外線による温風で部屋全体を効率よく暖められるのが特徴です。
また、デスク下や足元を重点的に暖めたい場合には、輻射熱を活用したパネルヒーターが便利です。大型から小型までさまざまなタイプが販売されており、用途に合わせて選べます。
電気ストーブを購入する際は、消費電力を比較することで、電気代への影響を事前に把握しやすくなります。用途に合ったストーブを選ぶことで、快適さと節電を両立することが可能です。
他の暖房器具と比較した場合の電気ストーブの特徴は、以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 立ち上がりが早く短時間で暖められる | 消費電力が高く電気代が割高になりやすい |
| 軽量で持ち運びがしやすい | 広い部屋全体を暖めるのには不向き |
総じて、電気ストーブは脱衣所やトイレなどの狭い場所での使用や、短時間だけ暖めたい場合に向いている暖房器具といえるでしょう。
オイルヒーターの電気代
オイルヒーターは「弱〜強」の設定や10段階の出力調整が可能で、消費電力に応じて1時間あたりの電気代が変化します。
以下は、「弱・中・強」の設定ごとの消費電力目安と、1時間あたりの電気料金です。
| オイルヒーターの強弱 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代(目安) |
|---|---|---|
| 弱 | 600W | 約18.6円 |
| 中 | 900W | 約27.9円 |
| 強 | 1,500W | 約46.5円 |
※上記は目安であり、メーカーや商品によって異なります。
一般的にオイルヒーターは消費電力が大きく、使用時間が長いと電気代に影響しやすいため注意が必要です。電気代を節約したい場合は、他の暖房器具と併用すると良いでしょう。
一方で、オイルヒーターは電源を切った後も内部のオイルが熱を保持するため、暖かさが持続します。この特性から、就寝時の暖房としても安心して使えるのが魅力です。
他の暖房器具と比較した際のオイルヒーターのメリット・デメリットは、以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 安全性が高く空気を汚さない | 消費電力が大きく電気代が高い |
| 暖かさが持続し就寝時にも安心 | 部屋が暖まるまでに時間がかかる |
オイルヒーターは、安全に長時間暖を取りたい方にとって、安心して選べる暖房器具の一つといえるでしょう。
石油ファンヒーターの電気代
石油ファンヒーターは、点火時に消費電力が300~400Wと高めになりますが、燃焼が始まると消費電力10~30kWほどに安定し、効率よく暖房が可能です。
石油ファンヒーターの燃焼時における、1時間あたりの電気代を見てみましょう。
| 石油ファンヒーター | 消費電力 | 1時間あたりの電気代(目安) |
|---|---|---|
| 燃焼時(弱~強) | 10W~30W | 約0.3円~0.9円 |
※上記は目安であり、メーカーや商品によって異なります。
石油ファンヒーターの1時間あたりの電気代は0.3円~0.9円程度と非常に安く、電気代の負担はほとんど気になりません。ただし、使用する際には灯油の購入が必要です。
経済産業省資源エネルギー庁の「石油製品価格調査の結果」によると、2024年12月2日時点の灯油は1Lあたり117.6円です。石油ファンヒーターに必要な灯油量から、1時間あたりの燃料費を求めると、以下のようになります。
| 燃料消費量(L/h)×使用時間(h)×1Lあたりの灯油料金 |
例えば、1時間あたり0.064~0.243Lの灯油を消費する場合、燃料費は約7.5円~28.5円です。電気代とあわせると、石油ファンヒーターを1時間使用する際の総コストは、約7.8円~29.5円となります。
石油ファンヒーターの特徴は、以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 短時間で部屋を強力に暖められる | 灯油の補充が必要で手間がかかる |
| 広いリビングや寒冷地でも活躍 | 定期的な換気が必要 |
寒冷地や広い部屋を素早く暖めたい場合、石油ファンヒーターは有効な選択肢です。主なコストは電気代ではなく灯油で、部屋全体を経済的に効率よく暖めたい家庭に向いています。
電気毛布の電気代
電気毛布は種類によって消費電力は異なり、それに応じて1時間あたりの電気代も変わります。
下記は、代表的なタイプごとの消費電力と電気代の目安です。
| 電気毛布のタイプ | 消費電力 | 1時間あたりの電気代(目安) |
|---|---|---|
| 敷くタイプ | 40W~60W | 約1.2円~1.9円 |
| 掛けるタイプ | 30W~50W | 約0.9円~1.6円 |
| ひざ掛けタイプ | 30W | 約0.9円 |
電気毛布は、サイズや強弱の設定によって電気代は多少異なるものの、他の暖房器具と比較すると低めの消費電力で済む暖房アイテムです。
また、部屋全体を暖めずに体だけを温められるため、空気を乾燥させずに使用できるメリットもあります。ただし、使い方によっては低温火傷や脱水症状のリスクがあるため、注意して使用することが大切です。
他の暖房器具と比べた際の電気毛布の特徴は、以下の通りです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 電気代が非常に安い | 部屋全体を暖める効果はない |
| 体を直接温められ、就寝時やリラックスに最適 | 長時間の使用で低温火傷や脱水のリスクがある |
電気毛布は、就寝時の冷え対策やピンポイントで体を温めたい方におすすめの暖房器具といえるでしょう。
電気代節約につながる暖房器具の選び方
冬場に暖房器具を使用する際は、電気代を抑えつつ快適に過ごす手段を選ぶことが重要です。暖房器具の種類や特徴を理解し、部屋の広さや使用シーンに合わせて選ぶことで、無駄な消費電力を避けられます。
ここでは、電気代の節約につながる暖房器具の選び方として、以下の3つのポイントをご紹介します。
- 部屋の大きさで選ぶ
- 暖房器具の併用で選ぶ
- コストパフォーマンスやランニングコストで選ぶ
部屋の大きさで選ぶ
効率良く部屋を暖めるためには、暖房器具の大きさを部屋に合わせて選ぶことが大切です。部屋の広さに適さない暖房器具を使用すると、常にフル回転で稼働してしまい、必要以上の電力を消費し、電気代が高くなる原因となります。
逆に、狭い部屋で大型の暖房器具を使用すると、小さな暖房器具より消費電力が大きい分、無駄な電気代が発生します。
そのため、暖房器具を選ぶ際は部屋の広さを考慮し、コンパクトタイプか大型タイプかを判断することが重要です。部屋に合った適切な暖房器具を選ぶことで、効率的に暖めつつ電気代を節約できます。
暖房器具の併用で選ぶ
暖房器具を併用することで、効率的に部屋を暖めながら電気代を節約できます。おすすめの組み合わせとして、以下が挙げられます。
- エアコンとホットカーペット
- エアコンとこたつ
- オイルヒーターと電気ストーブ
エアコンは足元が冷えやすいため、ホットカーペットやこたつと併用すると体全体が暖まりやすくなります。特に「エアコン・ホットカーペット・こたつ」の組み合わせは、ホットカーペットで熱を保ちながらエアコンやこたつを補助的に使用できるため、電気代の節約につながります。
また、オイルヒーターは暖かさがゆっくり持続するため、長時間使用に向いています。一方、電気ストーブはスイッチを入れるとすぐに温風で部屋を暖められるため、短時間での暖房に便利です。
部屋が暖まったら電気ストーブを消すなど、2つの暖房器具の特性を組み合わせて使うことで、効率よく暖めつつ電気代を抑えられます。
コストパフォーマンスやランニングコストで選ぶ
暖房器具は購入時に初期費用がかかり、使用中は電気代や燃料費が発生します。効率よく部屋を暖めつつ電気代も節約するためには、コストパフォーマンスとランニングコストを基準に選ぶのがおすすめです。
ここでは、コストパフォーマンスとランニングコストの2つの面から、節約につながる選び方をご紹介します。
コストパフォーマンスに優れた暖房器具
エアコンには冷房・暖房・除湿の機能があり、1台で複数の役割を果たせるためコストパフォーマンスに優れた暖房器具です。初期費用はやや高めですが、上手に利用することで電気代を抑えられるほか、1年を通して使用できる点も魅力です。
また、石油ストーブとは異なり火を使わないため、お子さまや高齢の方でも安心して使用できます。ただし、部屋が乾燥しやすいため、加湿器を併用して電気代節約と快適性を両立させることをおすすめします。
ランニングコストを抑える暖房器具
ランニングコストを抑えられる暖房器具には、以下のような種類があります。
- 電気毛布
- こたつ
- ホットカーペット
- セラミックファンヒーター
- 電気ストーブ
ワンルームや1部屋のみ暖めたい場合は、広い範囲を暖める必要がないため、ランニングコストが安い暖房器具が適しています。特に「体に直接触れるタイプ」は、効率的に体を暖めつつ電気代を抑えられるためおすすめです。
電気毛布や電気ひざ掛けは、ピンポイントで体を温められるだけでなく、ランニングコストも抑えられます。
idemitsuでんきで冬の電気代をさらにおトクに
暖房器具の電気代は種類によって大きく異なり、それぞれメリット・デメリットがあります。電気代を節約しながら選ぶポイントは、部屋の広さに合った器具を選ぶことや、複数の暖房器具を併用することです。また、より効果的に電気代を抑えるには、電気料金プランの見直しも有効です。
電気料金プランの見直しには、idemitsuでんきがおすすめです。idemitsuでんきでは、使用電力に対する電気代が地域の電力会社より低く設定されているため、電気代を効率的に節約できます。加えて、「節電プログラム」を活用して節電でポイントを貯めることもできます。
電気代を少しでも安く抑えたい方は、idemitsuでんきのシミュレーションで現在の電気料金プランと比較してみてください。暖房器具の効率的な使用と電気料金プランの見直しを組み合わせることで、より大きな節約につながるでしょう。

