暖房器具は買い替えなくても節電できる?種類ごとの節約方法やおすすめの併用グッズを紹介!
冬場は暖房器具の使用が増えるため、電気代の上昇を心配しているご家庭も多いでしょう。
資源エネルギー庁の調査によると、エアコンや電気カーペットなどの暖房器具による1日の消費電力は全体の32.7%を占め、2位の冷蔵庫(14.9%)、3位の給湯(12.6%)を大きく上回っています。電気代を抑えるためには、暖房器具の節電が有効であると考えられます。
本記事では、節電につながる暖房器具の使い方や、併用するとさらに節電効果が期待できるアイテムをご紹介します。
【エアコン】節電につながる暖房器具の使い方
冬の暖房器具の中でも、エアコンは使用時間が長く消費電力も大きいため、電気代の負担を感じやすい設備ですが、いくつかの工夫を取り入れることで効率よく節約できます。
ここでは、エアコンの節電方法として、以下の3つの使い方のポイントをご紹介します。
- 室内温度が20℃になるよう設定する
- サーキュレーターで暖気を循環させる
- フィルター掃除で効率を上げる
室内温度が20℃になるよう設定する
環境省では、暖房を使用する際には「室内温度が20℃」となるような設定を推奨しています。なお、令和5年度の調査によると、多くの世帯では暖房の設定温度を20℃~25℃と、推奨値よりやや高めに設定していることがわかっています。暖房の設定温度は1℃下げるだけで、電気代の節約につながり、無理なく節電が可能です。
また、室温を20℃に設定している場合でも、断熱カーテンやカーペットなどを活用して体感温度を上げることで、寒さ防止に繋がります。
こうした工夫を積み重ねることで、冬場の電気代を大きく抑えることができるでしょう。
暖房の温度設定による節電方法については、以下の記事で具体的にシミュレーションしていますので、あわせてご覧ください。
参考:環境省「令和5年度家庭部門のCO2排出実態統計調査資料編(確報値)」
サーキュレーターで暖気を循環させる
エアコンを効率よく使用するためには、サーキュレーターを併用して暖かい空気を部屋全体に循環させる方法が効果的です。
暖かい空気は天井付近にたまりやすいため、エアコンのみでは足元が冷えやすくなります。そこで、エアコンと対面になるようにサーキュレーターを置き、上向きに風を送ることで、天井付近にたまった暖気を部屋全体に循環させることが可能です。
室内温度が一定になると、エアコンが余分に稼働する必要がなくなり、結果として消費電力を抑えられて節電につながります。
フィルター掃除で効率を上げる
エアコンを効率的に稼働させるためには、フィルター掃除も欠かせません。フィルターは2週間に1度を目安に掃除をすることをおすすめします。
エアコンは室内の冷たい空気をフィルターから吸い込み、温風に変えて室内に送り出す仕組みですが、フィルターがほこりで目詰まりしていると、空気を吸い込む際に余分な電力を消費してしまいます。
フィルターの掃除を行う際は、まず掃除機でほこりを吸い取り、その後に水洗いをするとより効果的です。なお、自動掃除機能付きのエアコンであっても、完全に汚れを防げるわけではないため、使用シーズンの前後にはメンテナンスすることを心掛けましょう。
【こたつ】節電につながる暖房器具の使い方
こたつは、足元からじんわり暖めてくれるため、省エネ性能に優れている暖房器具です。ただし、使い方次第では余分な電力を消費してしまうこともあります。
こたつを効率的に使うためには、以下のポイントを意識することが重要です。
- 保温性の高いこたつ布団を使う
- 弱運転を心掛ける
- 床にラグやカーペットを敷いて熱を逃がさない
ここでは、こたつの節電方法について詳しく解説します。
保温性の高いこたつ布団を使う
こたつを使用する際に節電するためには、保温性の高い布団を選ぶことが大切です。綿100%など厚手の素材で熱を逃がしにくいタイプを選ぶことで、内部の温度をしっかり閉じ込めることができます。
また、隙間があると暖気が逃げてしまうため、布団をかける際にはきちんと覆い、密閉性を高めることもポイントです。布団が薄い場合は、こたつ布団の下に毛布を1枚重ねると、保温効果が格段に向上し節電効果が高まります。
買い替えや新しく購入する場合は、厚みがあり十分な大きさのある布団を選ぶことで、弱運転でも十分に暖かさを感じやすくなります。
弱運転を心掛ける
こたつを「弱運転」の設定で使用することで、電気代を大幅に節約できます。全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価(1kWhあたり31円)を基準にすると、消費電力は強と弱で約2倍の差があります。
| こたつの温度設定 | 消費電力 | 1時間あたりの電気代の目安 |
|---|---|---|
| 弱運転 | 80W | 約2.5円 |
| 強運転 | 160W | 約5.0円 |
こたつのメーカーや製品によって弱と強の消費電力は異なるものの、弱運転を心掛けることが、電気代の節約には重要なポイントです。
寒さが気になる場合は、こたつの内部が暖まるまで強運転に設定し、暖まってきたら弱運転に切り替えて使用すると良いでしょう。最初の立ち上がり時のみ強くし、以降は弱で維持することで、快適さと節電を両立できます。
床にラグやカーペットを敷いて熱を逃がさない
冬は床から冷気が伝わりやすいため、こたつの下に専用の敷布団を敷くことで保温効果を高められます。これにより、弱運転でも暖かさを感じやすくなるでしょう。代用として厚手のカーペットやラグを使うのも効果的です。
ただし、毛足の長いシャギータイプのラグは、発熱部との接触で火災の原因となる恐れがあるため使用は避けましょう。床からの冷気対策を行うことで、こたつの性能を最大限に引き出しながら、電気代を抑えることが可能です。
【電気ヒーター・ファンヒーター】節電につながる暖房器具の使い方
電気ヒーターやファンヒーターは、スイッチを入れてすぐに暖かさを感じられる手軽な暖房器具です。ただし、その分消費電力が大きく、長時間の使用は電気代が高くなりやすいという特性があります。上手に節電しながら使うためには、以下の使い方を意識すると良いでしょう。
- 他の暖房器具を併用する
- 窓の近くに置く
ここでは、電気ヒーター・ファンヒーターの節電につながる使い方について解説します。
他の暖房器具を併用する
電気ヒーターやファンヒーターは、部屋をすばやく暖められるという特徴があるため、他の暖房器具と併用することで節電につながります。
例えば、こたつ単体では暖まるまで時間がかかりますが、電気ヒーターやファンヒーターで部屋を先に暖めておくことで、こたつは消費電力の少ない弱設定のまま快適に利用できます。
また、エアコンも設定温度に達するまでは消費電力が大きくなりますが、補助的に電気ヒーターやファンヒーターをつかうことで部屋を早く暖め、エアコンの消費電力を抑えることが可能です。
ポイントは、あくまで「立ち上がりの補助」として利用することであり、部屋が暖まったら電気ヒーターやファンヒーターは電源を切り、こたつやエアコンなどメインの暖房器具に切り替えることで、効率よく節電ができます。
窓の近くに置く
冬場は窓からの冷気が室内に入り込み、暖房効率を下げる大きな要因となります。電気ヒーターやファンヒーターを窓の近くに置くことで、侵入する冷気を暖め、室内の温度が下がるのを防ぐことが可能です。
さらに、冷気の流れを暖かい空気の流れへと変えることで、部屋全体が効率的に暖まり、結果的に節電効果も高まります。
一方で、窓から離れた場所に設置すると、ヒーターからの暖かい空気は天井付近を通り、窓際で冷気にさらされてしまうため、暖房効果が十分に得られません。電気ヒーターやファンヒーターは、節電効果を考え、効率的に部屋が暖まるよう置き場所を工夫することが大切です。
【電気毛布・ホットカーペット】節電につながる暖房器具の使い方
電気毛布やホットカーペットは、体に直接熱を伝えることができるため、効率の良い暖房器具です。エアコンやファンヒーターに比べて消費電力が少ない点が特徴ですが、使い方次第でさらに節電効果を高められます。
続いて、電気毛布とホットカーペットの節電方法として、以下をご紹介します。
- 暖かくなったら弱設定で使用する
- 適切なサイズを選んで使用する
暖かくなったら弱設定で使用する
電気毛布やホットカーペットを節電して使うためには、暖かさを感じたら弱設定に切り替えることがポイントです。これらの暖房器具はスイッチを入れてから短時間で暖まるため、強にしたまま長時間使う必要はありません。
例えば、電気毛布の場合、冷たい布団が暖まったら電源を切るか、弱設定に変更すると良いでしょう。ホットカーペットも同様に、最初に強で暖めた後は弱で維持するのがおすすめです。温度を上手に調整することで、必要以上に電気を使わずに済み、自然と電気代の節約につながります。
適切なサイズを選んで使用する
ホットカーペットや電気毛布は、サイズが大きいほど消費電力も増えるため、適切な大きさを選ぶことが節電のポイントです。
ホットカーペットには、「全面」「1/2面」「1/3面」と切り替えられるタイプがあり、使用する面だけを暖めるようにすることで、最小限の電力で十分に効果を得られます。
電気毛布についても、身体に合ったサイズを選ぶことで無駄な電力消費を防ぐことが可能です。節電するなら、使用する人数やスペースに合わせて適切なサイズを選び、必要以上に大きな製品を使用しないことが重要です。
暖房器具と併用すると効果的な節電アイテム
暖房器具を効率良く使用して電気代を抑えるためには、部屋全体の環境づくりも重要です。そこで役立つのが、次のような節電アイテムです。
- 断熱カーテンや断熱フィルムで外気を遮断
- 厚手のラグやカーペットで底冷えを防ぐ
- 加湿器で体感温度を上げる
ここでは、暖房器具と併用すると効果的な節電アイテムと、それぞれの使い方について解説します。
断熱カーテンや断熱フィルムで外気を遮断
暖房器具を効率良く使用して節電するためには、まず窓からの冷気を防ぐことが欠かせません。断熱カーテンを取り入れることで、室内の暖かい空気を逃さず外気の影響を最小限にできます。
断熱カーテンの選び方のポイントは、以下の通りです。
- 厚手の生地
- 裏地がある
- 床まで届く長さ
また、窓ガラスに断熱フィルムを貼ると、保温効果が高まり暖房効率が向上します。断熱フィルムは結露の発生を抑える効果もあるため、カーテンや室内にカビが発生しにくくなる点もメリットです。
暖房器具と組み合わせて使うことで、より快適で節電効果の高い住環境を実現できます。
厚手のラグやカーペットで底冷えを防ぐ
フローリングの部屋では、暖かい空気が上に移動し、冷たい空気が床付近にたまる「コールドドラフト現象」が起こりやすくなります。その結果、床がなかなか暖まらず底冷えを感じやすくなります。
そこで役立つのが、厚手のラグやカーペットです。床に敷くだけで断熱効果が得られ、足元からの冷えを防ぐことが可能です。体感温度が下がりにくくなるため、暖房の設定温度を上げすぎずに済み、自然と節電につながります。
加湿器で体感温度を上げる
暖房を使うと空気が乾燥しやすくなりますが、湿度と体感温度は密接な関係があります。一般的に、湿度30%の状態から加湿器を使用して湿度60%まで上げると、体感温度は1~2℃上昇するとされています。
体感温度が上がれば、暖房器具の設定温度を上げる必要がなくなり、結果的に節電効果が期待できるでしょう。
ただし、加湿器を置く際には、以下の点には注意が必要です。
- 窓の近くはカビが発生しやすいため避ける
- 換気扇や空気清浄機の近くは空気が吸い込まれるため避ける
- ミストタイプは電子機器の近くで使わない
また、エアコンから出る温風が加湿器に直接あたると、局所加湿が生じ効率悪化や部分的な結露、製品劣化につながるおそれがあります。加湿器の効果を最大化するために、加湿器に直接当たらないようにエアコンの風向きを調整しましょう。加湿した空気がエアコンの風にのって部屋全体に循環できる場所に置くことが理想的です。
暖房器具の節電とあわせてidemitsuでんきで電気代を見直そう
暖房器具の使い方を工夫することで節電につながり、効率的に電気代を抑えることができます。設定温度の見直しや保温性を意識することで、効率よく電気代を削減できるでしょう。
しかし、節電だけでは電気代の削減に限界があることも事実です。根本的に電気代を抑えたい場合は、電気料金プランの見直しがおすすめです。
特に冬場は、暖房の使用によって電気使用量が急増し、電気代が高くなりやすい時期です。おトクな料金プランに切り替えることで、無理なく毎月の光熱費を軽減できます。
今年の冬は「暖房器具の節電 × 電気料金の見直し」のダブル対策で、快適さを保ちながらかしこく光熱費を抑えてみませんか。電気代が少しでも高いと感じている方は、地域の電力会社よりもおトクな料金で、さらには節電に応じてポイントもらえるidemitsuでんきがおすすめです。まずは、idemitsuでんきの料金シミュレーションで電気代を見直してみましょう。

