市場価格調整額とは?電気代への影響を解説

市場価格調整額とは、電気の市場価格の変動に応じて、電気料金に加算・減算される金額です。

電力プランによっては、市場価格調整額が含まれる場合があるので、正しく理解しておくことが大切です。

本記事では、市場価格調整額の仕組みや計算方法、影響を受ける背景についてわかりやすく解説します。

今後の電気料金や契約先の見直しを検討する際の確認ポイントとして、ぜひ参考にしてください。

市場価格調整額とは?

市場価格調整額とは、電気を仕入れる価格が市場で上がったり下がったりしたとき、その変動分を電気代に反映させるための金額です。企業向け高圧電力プランや家庭向けの一部料金プランでは、この市場価格調整額が含まれるものがあります。

また、市場価格調整額とは別の名前で、市場価格の変動分を電気代に反映させている電力会社もあります。本記事では、市場価格の変動の反映を総称して、市場価格調整額と記載します。

図のように、市場価格が高騰すれば「+の調整額」が加算され、市場価格が下がれば「−の調整額」が減算され、最終的に電気代に反映されます。

例えば、2025年1月の市場価格調整単価は、関西電力の高圧供給の場合、1kWhあたり+0.58円となりました。 また、東京電力エナジーパートナーの高圧供給における2025年1月の市場価格調整単価は、ベーシックプランで+0.73円/kWhでした。

このように、市場価格の変動は電力会社や契約プランによって異なる調整単価となります。

市場価格調整が導入された背景

小売電気事業者の電気の調達には、自社で発電所を持つほか、他社から購入したり、「電力卸売市場(JEPXなど)」から仕入れたりする方法があります。

「電力卸売市場(JEPXなど)」は、燃料価格や需要などによって日々価格が変動します。実際に、2021年1月には大寒波によって暖房利用が急増し電気の需要が高まった影響で、電気の市場価格が大きく上がりました。

この市場価格変動を料金に反映しない場合、電力会社が電力調達コストを回収できない可能性があり、近年、企業向け電力プランを中心に市場価格調整額の導入が進みました。

市場価格が変動する要因

電気の市場価格は、日々変化しています。その要因としては、以下が挙げられます。

  • 気温や時間帯による需要の増減
  • 燃料の国際価格の高騰(LNG・石炭・石油など)
  • 発電所の点検やトラブルによる稼働停止

これらの要因が、需要と供給のバランスを変化させ、結果として価格に大きな影響を与えるのです。

市場価格調整制度の電気料金の計算方法

市場価格調整制度を導入している電気料金は、以下のような構成になります。

電気料金 = 基本料金 + 電力量料金(従量)+ 市場価格調整額 + 燃料費調整額 + 再エネ賦課金

市場価格調整額 = 使用電力量(kWh) × 市場価格調整単価(円/kWh)

 

具体例を見てみましょう。

・使用量:300kWh
・市場価格調整単価:+5.00円/kWh
・市場価格調整額 = 300kWh × 5.00円 = 1,500円
この「+1,500円」がその月の電気料金に上乗せされます。

 

単価は毎月変動し、前月や当月の市場価格を元に設定されます。市場が高騰した月は、電力料金が大幅に上昇し、利用者にとって大きな負担となることがあります。

市場価格調整額が高いときの対処法

市場価格調整額の高騰で電気代が上がってしまうと家計にも大きな影響が出ます。ここでは、そんな時の対処法を2つご紹介します。

  • 市場価格調整額のないプランへ切り替える
  • 節電を意識し電気の使用量を減らす

市場価格調整額のないプランへ切り替える

市場価格調整額があるプランから、ないプランに乗り換えることで、調整額が高騰するリスクを抑えられます。

idemitsuでんきは、市場価格調整額に左右されないプランとなっています。

電気使用量に応じておトクなSプラン

電気の使用量を減らす

市場価格調整額のあるプランのまま電気料金を抑制するには、電気自体の使用量を減らす方法が有効です。使用量が少なくなれば、「市場価格調整額(=使用量 × 単価)」の負担も軽減されます。市場価格調整単価が1kWh約5円の時、月20kWhの節電で100円の節約が可能です。

また、エアコンや冷蔵庫など大型家電の買い替えも節電につながります。電気の節約方法については以下の記事でも紹介しているので参考にしてください。

電気代を安くする方法とは?見直し方法もあわせて紹介

電気代の節約をする方法とは?電気代を抑える方法・節約術について解説

市場価格調整額に関するよくある質問

ここでは、市場価格調整額についてよくある疑問にお答えします。

  • 市場価格調整額は毎月変わるの?
  • 電気代に反映されるタイミングは?
  • 燃料費調整額との違いは?

市場価格調整額への理解を深めて、賢く電気料金と向き合っていきましょう。各疑問を詳しく解説します。

市場価格調整額は毎月変わるの?

市場価格調整額は毎月変わることが一般的です。どのように反映されるかは各社の料金プランによって異なるため、電力会社の公式サイト等でプラン詳細を確認しましょう。

以下は、東京電力エナジーパートナーの2025年の企業向け高圧プラン「ベーシックプラン」における市場価格調整単価の一部です。

2024年12月:0.75円/kWh
2025年1月:+0.73円/kWh
2025年2月:+0.94円/kWh
2025年3月:+0.08円/kWh

※参考:燃料費調整単価等一覧

市場価格調整額に関係するデータは以下で確認できます。

  • 日本卸電力取引所(JEPX):電力の卸売市場価格に関するデータを提供
  • 各電力会社の公式サイト:企業向け高圧プランについては東京電力や関西電力などが市場価格調整制度の詳細や料金を掲載、また家庭向けプランに市場価格調整額を適用している電力会社についても、仕組みや毎月の単価を掲載しています

電気代に反映されるタイミングは?

市場価格調整額は、当月の市場価格が翌月の電気料金に反映されることが一般的です。例えば1月の市場価格が高騰した場合、その影響は2月の電気料金に加算されるということです。
類似項目である燃料費調整額は、一般的に燃料価格の反映に数か月かかりますが、市場価格調整額は比較的早く電気料金に反映される点に注意しましょう。

正確な反映時期は電力会社ごとに異なる場合があるため、ご利用中の電力会社の公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。

燃料費調整額との違いは?

「市場価格調整額」と「燃料費調整額」は、どちらも電気料金に上乗せ(または値引き)される変動費用ですが、調整の対象や仕組みが違います。

「燃料費調整額」は、電力会社の火力発電コストの変動対策です。原油・LNG・石炭の価格をもとに、3〜5ヶ月前の平均価格で調整額を決定します。適用までにタイムラグがあり、3か月分の平均を適用するため、緩やかに上下するのが特徴です。

一方、「市場価格調整額」は前月の市場価格の平均などを使って調整単価を設定するプランが多く、急な高騰・値引きが起こる可能性があるのです。

安定した料金体系のidemitsuでんき!

電気料金の変動が続く中、家計への影響を最小限に抑えるためには、電力プランの見直しが必要です。市場価格調整制度の影響を受けるプランでは、月ごとの電気代が大きく変動するリスクがあります。

idemitsuでんきは市場価格調整額を含まない電気料金プランを提供しています。電気使用量に合わせたおトクな料金設定となっているため、無理なく電気代を抑えることも可能です。

ぜひ、idemitsuでんきへの切り替えを検討し、安定した料金体系で家計を守りましょう。

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