オール電化住宅に蓄電池は必要?節電・停電対策などメリットを紹介!
オール電化住宅は、安全性と経済性を兼ね備えた暮らしを実現できる一方で、電気料金の高騰や停電時のリスクといった課題もあります。これらの課題を解決する手段として注目されているのが「蓄電池」です。
オール電化で蓄電池を導入することで、電気代の削減はもちろん、災害などによる停電時の非常用電源としても役立ちます。さらに、太陽光発電と組み合わせることで、自家消費率の向上や売電による収益化も可能です。
本記事では、オール電化住宅に蓄電池を導入するメリットや選び方、コストを抑えて設置する方法をわかりやすく解説します。蓄電池の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
オール電化住宅に蓄電池を導入するメリット
オール電化住宅では、調理・給湯・暖房など、家庭内のエネルギーの大部分を電気でまかなっています。そのため、電気代の高騰や停電などのリスクに備えることが、安心で快適な暮らしを維持する上で重要です。
そこで注目されているのが「蓄電池」の導入です。蓄電池を導入することで、電気代や太陽光発電の有効活用、停電時非常電源としての活用など、さまざまなメリットが得られます。
ここでは、オール電化住宅に蓄電池を導入する主なメリットを詳しく見ていきましょう。
電気代を軽減できる
オール電化住宅と蓄電池の組み合わせは、電気代の負担を軽減したい方にとって大きなメリットがあります。
オール電化住宅向けの電力プランは、「日中が高く、夜間が安く」設定されています。そのため、電気代が安い夜間に蓄電池へ電気をためておき、充電した電気を日中使用することで電気代を抑えることが可能です。
特に、在宅ワークや子育てなどで昼間の在宅時間が長い家庭では、日中の使用電力が多くなりやすく、蓄電池の導入による節約効果が大きくなります。
昼間に電気を多く使う方や、電気代の高騰が気になる方にとって、蓄電池の導入は賢い選択といえるでしょう。
太陽光発電との相性が良い
蓄電池は、太陽光発電との相性が非常に良い設備です。特に、固定価格買取制度(FIT)が終了した「卒FIT」の家庭では、発電した電気を「売る」よりも「自宅で使う」方が経済的です。また今後、固定価格買取制度を新たに利用する場合も、売電価格より電力会社から買う電気の方が高くなる傾向にあるため、「売る」よりも「自宅で使う」方が経済的と言えます。
蓄電池を導入することで、昼間に発電した電気を蓄電池にためておき、夜間や曇りの日など発電できない時に活用できます。これにより、電力会社から購入する電気量を減らせるため、電気代の削減につながります。
再生可能エネルギーを無駄なく使いたい方や、エコで持続可能な暮らしを目指す方には、オール電化に蓄電池と太陽光発電を組み合わせる方法がおすすめです。
停電時の非常電源に役立つ
蓄電池は停電時の非常電源として活用でき、電気が復旧するまでの間も照明や冷蔵庫、スマートフォンの充電などを維持できる安心感があります。
オール電化住宅で停電が起きると、家電やお風呂、IHなどが使えず、生活に大きな支障をきたすことがありますが、蓄電池を備えておくことで、その不安を大幅に軽減できます。特に、夜間に災害が発生した場合、灯りが確保できることで家族の安全を守りやすくなるでしょう。
また、「自立運転モードへの自動切り替え機能」を搭載した蓄電池であれば、停電が発生しても数秒で自動的に非常用電源へ切り替わり、スムーズに電気を使い続けることが可能です。
さらに、太陽光発電と併用している場合は、昼間に発電した電力を充電しながら使えるため、停電が長引いても安心して生活を続けられるという大きなメリットがあります。
節電プログラムでおトクになる
電力需要が高まった際、一部の電力会社では節電を促す「節電プログラム」を実施しています。蓄電池が設置されていると、電力需要がピークに達する時間帯は蓄電池の電気を使うことで電力会社から購入する電力量を減らすことが可能です。
節電プログラムは電力会社からの購入量を削減するとその分ポイントや割引が付与されるため、蓄電池は節電プログラムの効果を高めることも期待できるでしょう。
節電プログラムの仕組みについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
オール電化住宅に必要な蓄電池の選び方
オール電化住宅に蓄電池を導入する際は、家庭の電気使用量やライフスタイル、設置環境に合った製品を選ぶことが重要です。容量や機能を十分に検討しないまま導入すると、期待した節電効果が得られないことや、設置場所に困るケースがあります。
ここでは、オール電化住宅に最適な蓄電池を選ぶためのポイントを詳しく解説します。
太陽光発電の有無で容量を決める
オール電化で太陽光発電を導入している場合は、発電量に見合った蓄電容量を選ぶことがポイントです。
1日の発電量から使用する電力量を差し引いた分が、蓄電池にためられる目安になります。例えば、5kWの太陽光パネルを設置している場合、7〜10kWhほどの蓄電池を選ぶと効率的です。
オール電化で蓄電池を導入する場合は、太陽光発電と組み合わせて利用することで、より大きな節電効果を期待できます。
太陽光発電を導入するメリットについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
ライフスタイルや家族人数に合わせる
太陽光発電を設置していない家庭では、電気代の安い夜間電力を使って充電し、日中に放電するスタイルが主流であるため、日中に使用したい電力量に合わせた容量を選ぶと無駄がありません。
オール電化住宅では、一般的に10kWh程度の蓄電容量が目安とされていますが、ライフスタイルや家族の人数によって必要な蓄電容量は異なります。世帯別の蓄電容量の目安は、以下の通りです。
|
ライフスタイル |
蓄電容量の目安 |
|---|---|
|
家族が多い |
10kWh |
|
日中の電気使用量が多い |
7kWh |
|
日中は留守にすることが多い |
5kWh |
家族が多い場合は、電気の使用量も多くなりやすいため、10kWh程度の大容量タイプがおすすめです。一方で、家族の人数は少なくても、在宅ワークなどで日中の電気使用量が多い家庭では、7kWh程度の蓄電池を選ぶと安心です。
逆に、日中ほとんど家にいない家庭なら、5kWhほどの容量でも十分まかなえるでしょう。家庭のライフスタイルに合った蓄電池の容量を選ぶことが、電気代の削減につながります。
設置場所を決めてから選ぶ
蓄電池は屋内外どちらにでも設置できますが、製品ごとにサイズや設置条件が異なります。そのため、事前に設置スペースの寸法を測り、設置場所を決めておくことが大切です。
また、蓄電池は定期的なメンテナンスや点検が必要なため、周囲に十分なスペースを確保できる場所を選びましょう。
屋外に蓄電池を設置する場合は、寒冷地や塩害地域などの気候に対応した蓄電池を選ぶ必要があります。気温差や湿度、塩害などが原因で故障や劣化を招くケースもあるため、不安な場合は専門業者に相談し、最適な機種を選ぶと安心です。
オール電化や家電に対応しているか確認する
オール電化で使用されるIHクッキングヒーターやエコキュートは、一般的に200V対応です。蓄電池には「100V専用タイプ」や「100Vと200Vに対応」などの種類があり、すべての機器に対応できるわけではありません。
そのため、蓄電池を購入する前に、自宅の家電がどの電圧に対応しているかを確認し、適した蓄電池を選ぶようにしましょう。
電圧が合わない蓄電池を導入すると、機器が正常に作動しないリスクがあるため注意が必要です。
保証期間を確認する
蓄電池は高価な設備であり、長期間の使用を前提としています。そのため、メーカーや製品ごとの保証期間を確認することが大切です。一般的な保証期間は10~15年が目安で、保証内容には「本体保証」だけでなく、「蓄電容量の保証」なども含まれます。
長期的な運用を考慮し、保証内容が充実したメーカーを選ぶと安心です。導入時には、販売店やメーカーのアフターサポート体制も併せてチェックしておきましょう。
オール電化住宅に蓄電池を導入する際の注意点
オール電化住宅に蓄電池を導入することで、電気代の節約や停電時の安心感を得られますが、導入時にはいくつか注意点もあります。事前に理解しておくことで、無駄な費用を避け、自宅に最適な蓄電池を選定しやすくなるはずです。
ここでは、オール電化住宅に蓄電池を導入する際の注意点を詳しく解説します。
初期費用がかかる
蓄電池を導入する場合、初期費用として「製品本体の購入費用」と「設置工事費用」がかかります。
経済産業省の調査によると、2023年度における家庭用蓄電システムの導入費用は、設備が15万~20万円/kWh、工事に2万円/kWhとなっています。(※)
初期費用の目安は、導入する蓄電池の容量によって以下のように異なります。
|
家庭用蓄電池の容量 |
初期費用の目安 |
|---|---|
|
5kWh |
85万~110万円 |
|
7kWh |
119万~154万円 |
|
10kWh |
170万~220万円 |
なお、メーカーや販売業者によっても価格が異なるため、複数の製品や業者を比較し、ライフスタイルや予算に合った蓄電池を選ぶことが大切です。費用を抑える方法については、次章で詳しく解説しています。
※参照:経済産業省「2024年度 第5回 定置用蓄電システム普及拡大検討会」
サイクル数で寿命が決まる
蓄電池の寿命は、サイクル数(充放電回数)で決まります。1サイクルとは、「蓄電池を0%から100%まで充電し、再び0%まで放電すること」を指します。
例えば、サイクル数が7,300回の蓄電池を1日1サイクルで使用する場合、理論上の寿命は約20年となります。
蓄電池の種類によってサイクル数が異なるため、予算や使用頻度に合わせて、よりサイクル数の多い蓄電池を選ぶと長持ちしやすく、安心して長期間利用できるでしょう。
定格容量と実効容量の違いを要確認
蓄電池の容量には「定格容量」と「実効容量」の2種類があります。
- 定格容量:一定の条件下で蓄えられる最大容量
- 実効容量:実際に使用できる蓄電量(劣化や安全制限を考慮した値)
定格容量はカタログ上の理論値であり、必ずしも記載されている通りの電力がためられるわけではありません。一方、実効容量、安全性や蓄電池の劣化を考慮した実際に使える容量です。
一般的には、実効容量は定格容量よりも10~15%ほど少なくなることが多いです。そのため、蓄電池を選ぶ際は、両者の違いを理解し、家庭の電力使用量に合った容量を選ぶことが重要です。
オール電化住宅に蓄電池をおトクに設置する方法
オール電化住宅に蓄電池を設置する際、初期費用や設置費用を抑えながら導入する方法はいくつかあります。補助金制度の活用や複数業者からの見積もり比較、定額サービスの利用などにより、導入コストを抑えることが可能です。
ここでは、オール電化住宅でおトクに蓄電池を設置するための具体的な方法をご紹介します。
国や自治体の補助金を利用する
蓄電池導入に対しては、国や地方自治体による補助金制度が設けられており、活用することで初期費用を大幅に軽減できます。
具体的には、「DR補助金」や「子育てグリーン住宅支援事業(リフォーム)」などがあり、年度ごとに対象や条件が変わるため、最新情報の確認が必要です。
ただし、予算には上限があり、受付は先着順です。上限に達し次第受付終了となるため、蓄電池の導入を検討したら早めに確認しましょう。
自治体独自の補助金制度も併用できる場合があるため、お住まいの地域の制度も調べておくことをおすすめします。
一括見積もりをする
蓄電池の導入費用は、電力会社や販売店によって異なります。キャンペーン価格やリース契約を利用することで、安く導入できることもあります。
そのため、事前に複数の業者から見積もりを取り、条件を比較することが重要です。3社以上の専門業者から詳細な見積もりを取得し、機器本体価格と工事費用を比較検討することがおすすめです。
また、見積もりの際は、保証内容やアフターサービス、実績などもあわせて確認することで、価格だけでなくトラブル時の対応なども考慮して総合的な判断ができます。
定額サービスを利用して太陽光発電+蓄電池導入
太陽光発電や蓄電池を導入する際に大きなハードルとなるのが、高額な初期費用ですが、毎月定額のサービス利用料を支払う形式を利用することで、初期費用なしでシステムを導入できます。
出光グループのソーラーフロンティアが提供する「エネすく」なら、サブスクリプション(定額料金)で、初期費用をかけずに太陽光発電を導入できます。

さらに、オプションで蓄電池もセットで導入可能です。契約満了時には設備が譲渡されるため、そのまま使用できるメリットもあります。定額料金には機器の保証や定期点検、動産総合保険の費用が含まれるため、故障やメンテナンスの心配も不要です。
太陽光発電と蓄電池の導入を検討している方は、「エネすく」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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オール電化住宅に蓄電池を導入することで、電気代削減や停電時の備えとして大きな効果を発揮します。夜間の安い電気を蓄電池にためて日中に使用することで、電気代の負担を軽減できるだけでなく、災害時の非常電源としても活躍するため、万が一の備えにもつながります。
出光グループのソーラーフロンティア株式会社が提供する「エネすく」は、初期費用をかけずに太陽光発電システムを利用でき、オプションで蓄電池もセットで導入できるサブスクリプション型サービスです。初期費用も抑えつつ、専門家のアドバイスを受けながら最適な蓄電池選びが可能です。
蓄電池と太陽光発電を組み合わせることで、電気代の削減効果をさらに高め、発電した電気の売却によるメリットも期待できます。蓄電池や太陽光発電の導入を検討している方は、「エネすく」をご活用ください。
加えて、電気料金プランを見直すことでも家計の負担を減らすことができるケースがあります。
idemitsuでんきの「オール電化プラン」は、地域の電力会社の代表的なオール電化住宅向けプランと比較して基本料金が安価で、電力量料金は同様に設定されています。
さらに出光のサービスステーションの給油値引きや、定期的にお好きなポイントがたまるプログラムなど、家計に嬉しいサービスも付帯されています。太陽光発電や蓄電池の導入、電気料金プランの見直しなど、オール電化住宅での新しい生活を検討してみてください。

