太陽光発電で電気代は安くなる?削減できる電気代や安くする方法5選も紹介!

電気代が高騰する中、光熱費の負担に悩むご家庭は少なくありません。そこで注目されているのが、太陽光発電による電気代の節約です。太陽光発電システムを導入することで、自家消費による電気代の削減だけでなく、余剰電力の売電収入も期待できます。
しかし、実際にどの程度の削減効果があるのか、具体的な数字まで把握している方は多くないでしょう。
本記事では、太陽光発電での電気代の目安や節約の仕組み、電気代を抑える方法、導入時の注意点について解説します。太陽光発電の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
太陽光発電で電気代はどのくらい安くなる?
太陽光発電システムを導入すると、電気代の負担を削減できます。主な効果は、自宅で使う電力を賄う「自家消費」と、使い切れなかった余剰電力を売ることで得られる「売電収入」です。
実際の電気代の削減額は、設置する発電システムの容量や地域の日照条件、各家庭の電気使用量などによって異なります。
ここでは、住宅用として一般的な5kWの太陽光発電システムを例に、年間発電量や自家消費・売電の割合を踏まえた具体的な電気代節約のシミュレーションをご紹介します。
太陽光発電5kWの電気代削減シミュレーション
太陽光発電協会のデータによると、太陽光発電1kWあたりの1年間の平均発電量は約1,000kWhが目安です。そこで、ここでは5kWの太陽光発電の年間発電量を5,000kWhと仮定して計算します。
資源エネルギー庁のデータでは、発電した電力を自家消費する割合は平均32.7%、残りの67.3%は売電されていることがわかっています。つまり、5,000kWhのうち約1,635kWhが自家消費、約3,365kWhが売電に充当される想定です。
家計調査によると、年間の平均電気代は144,096円です。電力料金の目安は、全国家庭電気製品公正取引協議会の定めでは「31円/kWh」とされています。
これらをもとに自家消費によって削減される電気代を想定すると、以下のように計算できます。
144,096円(年間平均電気代)-50,685円(=1,635kWh×31円/kWh)=93,411円 |
この計算により、自家消費だけで年間約5万円の電気代を削減でき、残りの年間電気代は約93,411円となると推定されます。
次に、売電収入を反映した場合に、電気代の負担がどれくらい軽減できるかを見ていきましょう。FIT(固定価格買取制度)を活用した売電価格は導入からの年数により異なるため、ここでは1〜4年目と5〜10年目の2つのパターンで計算します。
【1〜4年目の場合】 ●削減できる電気代 |
※売電単価参考:買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー
導入から1〜4年目の期間は、売電収入が約8万円と想定されるため、年間の実質電気代は約12,651円まで削減可能です。
【5〜10年目の場合】 ●削減できる電気代 |
※売電単価参考:買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー
5年目以降は売電価格が下がるため、年間の実質電気代は65,481円と想定されます。
このように、太陽光発電を導入することで、自家消費分の節約と売電による収入をあわせて、電気代を効果的に押さえられることがわかります。
家族構成別の削減例
家族の人数やライフスタイルによって年間の電気使用量は異なります。
以下の表は、家族構成別の年間電気代と、5kWの太陽光発電による自家消費や売電収入を反映した電気代の例です。
家族構成別 | 年間電気代 | 自家消費を反映した年間電気代 | 売電を反映した 実質の年間電気代 |
---|---|---|---|
平均 | 144,096円 | 93,411円 | 1〜4年目:12,651円 5〜10年目:65,481円 |
2人 | 130,536円 | 85,026円 | 1〜4年目:4,476円 5〜10年目:58,506円 |
3人 | 151,812円 | 111,127円 | 1〜4年目:27,892円 5〜10年目:81,627円 |
4人 | 153,660円 | 112,975円 | 1〜4年目:29,740円 5〜10年目:83,475円 |
5人 | 172,956円 | 132,271円 | 1〜4年目:49,036円 5〜10年目:102,771円 |
6人以上 | 203,940円 | 163,255円 | 1〜4年目:80,020円 5〜10年目:133,695円 |
参照:e-Stat 家計調査 家計収支編 二人上の世帯より作成
世帯の人数が多いほど年間電気代は高くなりますが、太陽光発電による自家消費や売電収入によって、いずれの世帯も電気代を節約できます。
各家庭の電気使用量や売電価格、太陽光の設置容量によって実際の削減額は異なるため、導入を検討する際は自宅の状況に合わせてシミュレーションすることをおすすめします。
地域別の発電量の違い
太陽光発電の発電量は、設置する地域の気候条件によっても大きく異なります。日照時間や日射量は地域によって異なるため、同じ容量のシステムでも発電量に差が生じます。
以下の表は、主な地域の発電量係数の違いをまとめたものです。
地域 | 地域別発電量係数(30°) (kWh/(kW・年)) |
---|---|
札幌市 | 1,225 |
青森市 | 1,162 |
富山市 | 1,163 |
さいたま市 | 1,361 |
名古屋市 | 1,382 |
大阪市 | 1,337 |
広島市 | 1,332 |
高知市 | 1,407 |
宮崎市 | 1,345 |
那覇市 | 1,217 |
参照:令和 3 年度 再エネ導入ポテンシャルに係る情報活用及び 提供方策検討等 調査委託業務報告書_p129「各都道府県の県庁所在地における地域別発電量係数・建物系(戸建住宅等)」
なお、地域別発電量係数とは、システム容量1kWあたりの年間予想発電量(kWh/(kW・年))を表す数値です。市町村ごとに月別の発電量を算定し、12カ月分を合計して算出されています。数字が大きいほど、年間の発電量が大きいことを意味します。
上記の表からは、地域によって太陽光発電による発電量が異なることがわかるでしょう。例えば、高知市や名古屋市は比較的高い発電量係数であり、冬季でも日照条件が良いため年間の発電量が多くなります。一方、青森市や富山市は数値が低く、年間の発電量がやや少なめです。
そのため、同じ家族構成・同じ容量の太陽光発電システムを導入した場合でも、地域によって電気代の軽減効果が異なることを理解しておきましょう。
なお、地域だけではなく周辺環境による日当たりやパネル品質も効果に影響があります。
太陽光発電で電気代が安くなる理由
太陽光発電システムが電気代軽減に効果的な理由として、以下が挙げられます。
- 自家消費できる
- 売電できる
ここでは、それぞれの理由について詳しく解説します。
自家消費できる
太陽光発電で作られた電力は家庭内で自由に使うことができ、電気代の支払いを減らすことにつながります。
自家発電した電力を優先的に使用することで、電力会社から購入する電力量を抑えられるため、電気代を削減できます。特に近年の電気代高騰の影響を受けにくくなるのが大きなメリットです。
自家発電した電力で不足する電気のみ、電力会社から購入することになるため、効率的に電気代を節約できます。
売電できる
自家発電した電力は、家庭で使うだけでなく、余った分を電力会社に売電できることも、電気代を抑えられる理由の一つです。
ただし、「FIT制度(固定価格買取制度)」によって、導入からの期間ごとで買取価格は変化します。FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が一定期間、固定価格で買い取る仕組みです。
一般的な10kW未満の家庭用太陽光発電では、導入からの年数に応じて、売電単価が以下のように異なります。
導入からの年数 | 1〜4年目 | 5〜10年目 |
---|---|---|
売電単価 | 24円/kWh | 8.3円/kWh |
参照:経済産業省 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2025年度以降)」
太陽光発電の導入には初期費用がかかりますが、上述の電気代の節約額に加え、売電収入によって費用対効果を期待できます。
太陽光発電で電気代を抑える方法5選
太陽光発電システム単体でも電気代の削減は可能ですが、関連技術や仕組みを組み合わせることで、さらに電気代を抑えることができます。
太陽光発電で電気代を抑える方法は、以下の通りです。
- 蓄電池を利用する
- 電気自動車を活用する
- オール電化と組み合わせる
- 電気料金プランを見直す
- 卒FIT後の電気買取サービスを利用する
ここでは、これらの5つの方法を詳しくご紹介します。
蓄電池を利用する
蓄電池の導入は、太陽光発電の効果を最大化する方法の一つです。蓄電池を利用すると、自家発電した電力をためられます。蓄電池にたまった電力を、夜間や雨天のときに使用できるため、買電をさらに減らすことが可能です。
また、契約する電力会社やプランによっては、電気代が高くなる時間帯がありますが、その時間帯に蓄電池に蓄電池の電力を使用することで、さらに負担を軽減できます。
蓄電池の購入および設置工事の初期費用がかかりますが、経済的なメリットに加え、災害による停電時でも蓄電池があれば電力が使えるため、非常時の備えとしても大きなメリットです。
電気自動車を活用する
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を所有している場合、充電による電気代がかかります。しかし、太陽光発電を利用して電気自動車を充電できるため、太陽光発電設備がない場合と比較して充電にかかる電気代を削減できます。
また、電気自動車は車両として使用する傍ら、蓄電池の代わりとしても活用できる点もメリットです。
蓄電池とEV・PHVを比較すると、メリットと注意点は以下の通りです。
ポイントの比較 | 電気自動車 | 蓄電池 |
---|---|---|
メリット | ・車両でありながら充電可能な蓄電池を内蔵し、太陽光発電の有効活用が可能 ・蓄電容量が蓄電池より多い ・他の場所で充電することが可能 |
・太陽光発電の余剰の充電や、電気代が高い時間の放電が容易にできる ・災害等の停電時に自宅で電気を使える |
注意点 | ・蓄電した電気を自宅で利用する場合は専用機器の購入・設置が必要 ・車両として使用する時間は太陽光発電の電気を活用できない |
・購入・設置に高額な費用がかかり、一般的に費用回収は難しいと言われている |
EVを蓄電池として活用する方法については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
電気自動車(EV)を家庭用蓄電池として利用することはできる?その方法は?
オール電化住宅と組み合わせる
オール電化住宅にすることで、自家発電した電力で光熱費の節約につなげられます。特に、ガス代が高くなりやすい冬期に太陽光発電による電気を活用することで、より削減効果を得やすいでしょう。
オール電化住宅にすると、ガス住宅と比較して電気使用量が多くなります。そのため、電気代が高騰すると生活費の圧迫につながる可能性もありますが、太陽光発電があれば電気代の変動の影響を受けにくいというメリットがあります。
オール電化住宅の平均電気代は?世帯別・季節別の電気代と、電気代を抑える方法
電気料金プランを見直す
太陽光発電の導入を機に電気料金プランを見直すことで、さらに電気代の負担を軽減できます。電力需要は日中に集中しやすく、深夜は需要が減少しやすい傾向があるため、多くの電力会社では「時間帯別プラン」を用意しており、深夜の電気代を割安に設定しています。
太陽光発電で日中の電力を賄える場合、電気代の高い時間帯の購入電力を減らせるため、深夜料金が安いプランを選ぶことも可能です。電力会社によって時間帯の設定や電気料金が異なるため、比較しながら無駄のない電気料金プランを選びましょう。
卒FIT後の電気買取サービスを利用する
「卒FIT」とは、電力会社が太陽光発電を買い取る「FIT制度」の利用開始から10年が経過した後のことを指します。家庭用の10kW未満の太陽光発電の売電期間は10年間と定められており、期間終了後は余剰電力の売却先を見つける必要があります。
電力会社によっては、卒FIT後の電力買取サービスを実施しており、FIT制度のときと同じように自家発電で余った電力を買い取ってもらうことが可能です。
一般的には、FIT制度より低い買取価格に設定されているため、買取価格やサービス内容を比較することが望ましいでしょう。
例えば、idemitsuでんきでは、卒FIT向けの電気買取サービスを展開しており、地域ごとの買取価格をホームページで公開しています。
電力エリア | スタンダード買取プラン | でんきセット買取プラン |
---|---|---|
北海道・東北・東京 | 9.5円 | 11.5円 |
中部・北陸・関西・中国・四国 | 8.5円 | 10.5円 |
九州 | 7.5円 | 9.5円 |
買電プランとセットでご契約いただくことで、通常よりも、1kWhあたり約2円高い価格で太陽光発電の電力を買い取ります。買電プランには深夜料金が安価なオール電化プランも用意しているため、現在オール電化住宅向けの電気料金プランに加入しているご家庭にもおすすめです。卒FITになった後も売電収入や電気料金抑制を安定的にサポートしています。
卒FIT後の買取はどうなる?余剰電力をムダなく活用する売電方法
太陽光発電導入時の電気代に関する注意点
太陽光発電の発電量は「日照時間」に大きく影響され、特に冬期は日射量が弱く日照時間も短いため、発電量が減少しやすくなることに注意が必要です。
また、太陽光発電は外気温が25℃を超えると発電効果が徐々に低下する特徴もあり、夏場でも必ずしも発電量が多くなるとは限りません。さらに、天候にも左右されやすいため、想定より発電されない日があることも理解しておきましょう。
idemitsuでんきで太陽光発電の電気代をもっとおトクに
電気代の節約には太陽光発電の導入が一つの方法です。5kWの太陽光発電システムでも、年間で数万円の電気代削減効果が期待できます。
ただし、太陽光発電の導入には高額な初期費用がかかる点には注意が必要です。そこで注目したいのが、初期費用ゼロで太陽光発電を導入できるサービス「エネすく」です。エネすくでは、太陽光発電システムに加え、蓄電池、V2Hなどの機器代や設置費用も、月額定額のサブスクリプション形式で利用でき、無理なく太陽光発電や災害時の備えも利用できます。
さらに、定期点検や太陽光発電システムへの保証もあるため、安心して利用できます。また、契約期間が満了すると、太陽光発電はそのまま自宅で利用できるほか、余剰電力を売電して収入を得ることも可能です。太陽光発電の導入を検討している方は、初期費用が無料の「エネすく」をぜひご検討ください。