節電になる暖房の設定温度は?冬のエアコン利用も賢く節約!
寒い季節は暖房の使用によって電力消費が増え、電気代が高くなりやすいです。そのため、暖房の設定温度を見直して節約したいと考えるご家庭も多いでしょう。しかし、無理に設定温度を下げてしまうと、快適さを損なってしまうこともあるため、適切な暖房の設定温度を理解し、効率的に使うことが大切です。
この記事では、節電につながる暖房の設定温度や効果的な暖房の使い方、暖房を控えめにしても体感温度を上げられる工夫について解説します。
節電につながる暖房の設定温度とは?
冬場の電気代を大きく左右する要因の一つが、「暖房の設定温度」です。無理なく続けられる適切な室温を知り、効率よく暖房を使うことで、節電効果が得られます。
まずは、暖房時に推奨される室内温度の目安や地域による違いと、設定温度を工夫することで得られる節約効果について詳しく解説します。
室温20℃が目安
環境省では、冬季の暖房時には「室内温度20℃」を目安とすることを推奨しています。なお、ここでの「室温」は「エアコンの設定温度」そのものではなく、実際の室内の温度のことです。そのため、暖房をつける前の室温や住宅の断熱性によって、必要な設定温度は変わってきます。
例えば、外気温が低い地域では設定温度を高めにしなければ快適な室温を維持できません。総務省統計局のデータによると、都道府県別の平均気温は以下の通りです。

※電力エリアごとに抜粋
出典:総務省統計局「統計でみる都道府県のすがた 2024」観測年:2022年
このように、地域によって外気温には大きな差があります。外気温が低い地域ほど、室温を20℃に保つためのエアコンの消費電力は増加し、設定温度を1℃下げるだけでも節電効果が期待できます。
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1℃下げるだけで暖房の電気代を節約
暖房使用時に発生する電気代は、設定温度を1度下げるだけで節約が可能です。
全国家庭電気製品公正取引協議会が示す電力料金の目安単価(1kWhあたり31円)を基準に試算すると、暖房器具を毎日18時間使った場合、以下のような結果になります。
| 設定温度 | 1日あたりの電気代 | 1か月あたりの電気代(30日換算) |
|---|---|---|
| 基準(例:20℃) | 約279円 | 約8,370円 |
| 1℃下げた場合(19℃) | 約251円 | 約7,530円 |
| 節約額 | 約28円 | 約840円 |
<シミュレーションの前提条件>
- 暖房使用期間:11月〜3月(150日間)
- 1日の使用時間:18時間
- 暖房器具の消費電力量:500W
- 電力料金の目安単価:31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会より)
暖房にかかる電気代は、設定温度を1℃下げるだけで約10%の節約につながります。全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価(1kWhあたり31円)を基準に試算すると、暖房器具を毎日18時間使った場合、1日あたりの電気代は約279円です。
暖房の設定温度を1℃下げると、1日あたり約28円、1か月で約840円の節約が可能になります。小さな差でも、冬のシーズン全体では大きな節電効果になるでしょう。
節電効果を高める暖房の使い方
暖房は設定温度を工夫するだけでなく、使い方を工夫することでも節電効果を高めることが可能です。効果的な暖房の節電方法として、以下が挙げられます。
- 風向きを下に設定する
- 断熱やカーテンで保温する
- フィルターを掃除して使う
- 室外機の手入れをする
- 他の暖房器具と併用する
ここでは、これらの節電方法を詳しくご紹介します。
風向きを下に設定する

暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ移動する性質があります。そのため、エアコンの暖房を使用する際は、風向きを「下向き」に設定しておくことが大切です。こうすることで、暖気が足元から広がりやすくなり、効率的に部屋を温められます。
それでも足元が冷える場合は、部屋の空気を循環させる工夫を加えてみると良いでしょう。例えば、エアコンと向かい合う位置にサーキュレーターを置き、天井に向けて風を送ることで、暖かい空気が部屋全体に循環しやすくなります。
この方法を取り入れることで、室内全体がまんべんなく温まり、快適さと節電を両立できます。
断熱やカーテンで保温する
部屋の暖かい空気の約30%は、窓から外へ逃げてしまうことがわかっています。
寒さの厳しい地域では、「二重窓」や「内窓」の設置がよく行われますが、窓のリフォームが難しい場合でも、シャッターやカーテンを閉めることで、窓からの熱損失を防ぐことが可能です。
大きな窓がある部屋では、床まで届く厚く長めのカーテンを使用すると、窓からの冷気の侵入と暖気の室外への放出を防げます。また、窓に断熱フィルムを貼ることも効果的です。
暖房器具による電気代を節約する上では、「部屋に冷たい空気を入れないこと」と、「部屋の熱を逃がさないこと」が大切です。
フィルター掃除して使う
エアコンのフィルターを2週間に1度掃除することで、消費電力を約6%削減できるとされています。エアコンは室内の冷たい空気を吸い込み、温風に変えて部屋へ送り込む仕組みであるため、フィルターにホコリが溜まると吸い込み効率が落ち、余計な電力を消費してしまいます。
特に冬場は稼働時間が長くなるため、定期的な掃除が欠かせません。目安として、2週間に1度はフィルターを清掃しておくと良いでしょう。こうした日常的なメンテナンスを続けることで、暖房効率が改善され、無駄な電気代を抑えることができます。
室外機の手入れをする
エアコンの効率を高めるためには、室内機だけでなく室外機の手入れも重要です。以下のような状態が見られたら、掃除や点検を行うようにしましょう。
- 室外機の中のフィルターにゴミが詰まっている
- 室外機の周辺にゴミが落ちている
- 異音がする
室外機周辺にゴミや障害物があると熱交換がうまく行われず、エアコンが常にフル稼働することになります。その結果、電気代が余計にかかるだけでなく、エアコンの寿命が短くなることや、故障の原因にもなります。
対策として、室外機の周辺20cm以内には物を置かないようにし、年に1~2回、エアコンを使い始める前に掃除しておくことがおすすめです。適切なメンテナンスを行うことで、エアコンが効率よく動作し、長く快適に使うことができます。
他の暖房器具と併用する
エアコンだけに頼らず、こたつや電気毛布などの「スポット暖房」を併用することで、設定温度を下げても快適に過ごしやすくなります。特に、足元を直接温める暖房器具を使うと、部屋全体の温度を高くしなくても体感温度を上げられます。
スポット暖房はエアコンに比べて消費電力が少ないため、併用することでエアコンの稼働負担を軽減でき、電気代の節約にもつながるでしょう。
暖房を節電しながら体感温度を高める方法
暖房の設定温度を無理に下げなくても、少しの工夫で体感温度を高めることができます。ここでは、節電しながら暖かく過ごすための実践的な方法をご紹介します。
湿度を上げる
暖房器具を使用すると、どうしても室内は乾燥しやすくなります。湿度が10%下がると、体感温度は1度下がるといわれており、冬場は特に湿度管理が欠かせません。
加湿器を使用するのが手軽で効果的ですが、次のような工夫でも湿度を高められます。
- 洗濯物を室内に干す
- 部屋の中で霧吹きする
- 植物を置く
- お風呂のドアを開けておく
快適な湿度は40〜60%とされているため、湿度計を置いて確認し、40%を下回る場合は湿度を上げる対策をとると良いでしょう。
重ね着や暖かい寝具を使う
部屋を過度に暖めなくても、重ね着や寝具を工夫することで快適に過ごせます。
重ね着する場合は、衣類を「インナー→ミドル→防寒着」の順で着用すると効果的です。インナーには吸湿性と保温性のある素材を選び、ミドルにはフリースやウールなど暖かい素材を、さらに上には薄手のダウンやカーディガンなど室内でも着やすい防寒着を取り入れると、体の冷えを防ぎやすくなるでしょう。
また、就寝時の快適さには寝具の選び方も大きく影響します。特に羽毛布団を使用している場合は、毛布との組み合わせ方を工夫すると、より暖かさを感じやすくなります。
天然繊維の毛布は羽毛布団の内側に、合成繊維の毛布の場合は外側に配置すると、保温性と快適さが向上します。
暖房器具の電気代を節約するならidemitsuでんきがおすすめ
暖房の節電には、室内が20℃になるように設定温度を調整することが重要です。そのためには、暖房の設定温度をおおよそ20~25℃にし、実際の室温を見ながら調整すると良いでしょう。設定温度を1℃下げることで電気代は約10%節約でき、さらに湿度を10%上げると、体感温度が1℃上昇するとされています。
電気代の節約を心掛けることに加え、契約している電気料金プランがご自身のライフスタイルに合った料金体系となっているかを確認し、電力会社や料金プランを見直すことも大切です。
電力会社によって料金設定は異なり、使用量やよく使う時間を考慮してプランを選ぶことで、家計の負担が軽くなる可能性があります。
電力会社の切り替えを検討するなら、idemitsuでんきがおすすめです。地域の電力会社と比較して割安な料金体系で、オール電化住宅に対応した料金プランも提供しています。料金シミュレーションを活用することで、idemitsuでんきに切り替えた場合に具体的にどれぐらいおトクになるか確認できます。
本記事でご紹介した節電方法と電気料金プランの見直しを組み合わせ、無理のない節約を目指しましょう。

