エアコンの電気代が節約になる温度設定は?冷房・暖房それぞれ紹介

エアコンは消費電力が大きく、電気代がかかりやすい家電の一つです。電気代を節約するためには、エアコンの使い方を工夫することが重要です。特に、夏や冬は冷暖房の使用頻度が高くなるため、適切な温度設定を意識する必要があります。

この記事では、エアコンの電気代を節約するための温度設定について、冷房・暖房それぞれのポイントを解説します。また、電気代を抑えるための具体的な方法もご紹介します。

【冷房の場合】エアコンの電気代が節約になる温度設定は?

夏場のエアコン(冷房)の温度設定は、快適さを保ちつつ、電気代の無駄を防ぐ温度にすることが重要です。温度を低くしすぎると電気代が高くなり、逆に高すぎると暑さで体に負担がかかってしまいます。

まずは、夏場のエアコンの設定温度の目安と節電効果を確認していきましょう。

室内温度の目安は28℃

環境省では、夏の室温として28℃を推奨しています。ただし、これはエアコンの設定温度ではなく室内の温度を指すため、室内温度が28℃になるようにエアコンなどで調整する必要があります。

また、体に負担がかからないのは、屋外と室内の温度差が5℃程度までであることからも、28℃くらいが適温とされています。

近年の夏場の気温は35℃を超える日も多いため、28℃の設定でも暑さを感じる場合は、扇風機を併用するのが効果的です。体調を崩さないよう、状況に応じて28℃以下に設定し、無理のない範囲で快適に過ごしましょう。

エアコン(冷房)の設定温度で電気代をいくら節約できる?

エアコン(冷房)の設定温度や使用時間の調整など、省エネにつながる行動ごとの節約効果を下表にまとめました。

条件 省エネ行動 節約効果

外気温31℃

(使用時間9時間/日)

室内温度を上げる(エアコンを27℃から28℃に変更) 約940円
エアコン設定28℃ 必要なときだけ使用(冷房の使用時間を1日1時間短縮) 約580円
フィルターの目詰まり フィルターの掃除(2週間に1回フィルターを清掃) 約990円

※夏季に112日間使用する場合(6月2日~9月21日)
引用:環境省「家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約」

エアコン(冷房)は、室内の空気を取り込み、室外機を通して熱を外へ逃がすことで室温を下げる仕組みです。


画像引用:環境省「家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約」

適切な温度設定とフィルター清掃、さらに1日1時間の使用時間短縮を組み合わせることにより、夏場の112日間で約2,510円の電気代削減が可能です。

なお、上記の試算は2.2kW(6畳用エアコン)の場合であるため、使用するエアコンの消費電力によっては、さらに大きな節約効果が期待できます。

温度設定によるエアコン(冷房)の電気代節約をさらに効果的にする方法

エアコンの適切な温度管理に加え、周辺環境にも気を配ることで、より効率的に電気代を節約できます。

冷房時の電気代をさらに節約する方法として、以下が挙げられます。

  • 遮光カーテンで直射日光を遮る
  • 扇風機を併用する
  • 短時間の外出ならつけっぱなしにする
  • 自動運転にする

それぞれの方法について見ていきましょう。

遮光カーテンで直射日光を遮る

夏場は直射日光が室内に入ると室内温度が上昇しやすいため、レースカーテンや遮光カーテンを活用し、エアコンで冷えた室温を保つことがポイントです。エアコン(冷房)は、外気と室内温度の差が大きいほど電力消費が増えてしまいますが、日差しを遮ることでエネルギーの無駄遣いを防げます。

また、外出時にエアコンを切る場合は、遮光カーテンを閉めて部屋の温度上昇を抑えると、帰宅後の冷房使用時の電力を節約できます。さらに、窓に断熱シートを貼ると外気の影響を受けにくくなり、体感温度が下がるため、より効率的に電気代を節約できます。

扇風機を併用する

エアコンの冷気は室内の低い位置に溜まりやすいため、扇風機を使って空気を循環させることで、部屋全体の温度を均一にしやすくなります。エアコンは起動から設定温度に達するまでがもっとも電力を消費することから、扇風機を併用すると冷房効率が向上し、消費電力を抑えられます。

特に、扇風機をエアコンの風向きと逆に設置し、上向きに風を送ると、冷気が部屋全体に行き渡り、より効果的に電気代を節約できます。

短時間の外出ならつけっぱなしにする

30分程度の外出であれば、エアコンは消さずにつけたままにした方が、結果的に電気代を抑えられるケースが多いです。特に真夏日は、エアコンを切ると短時間で室温が上昇し、再度運転する際にフル稼働となるため、電力消費が増えてしまいます。

電気代を節約するためには、エアコンの消費電力を最小限に抑えることが重要であるため、30分程度の外出ならつけっぱなしにし、長時間の外出時のみ電源を切るのが効果的です。ただし、室内の温度変化が少ない環境では、エアコンを消す方が節電につながる場合もあります。

自動運転にする

エアコンの自動運転機能は、室温が設定温度に近づくと風量を調整し、余分な電力を使わないため、効率的に電気代を節約できます。一見、微風や弱風の方が省エネに思えますが、室温が下がるまでに時間がかかり、かえって電力を消費することがあります。

一方、自動運転では最初に強風で急速に冷やし、その後風量を抑えるため、必要最小限の電力で効率よく室内を冷やすことが可能です。エアコンの電気代を抑えるためには、自動運転を活用し、無駄な運転時間を減らすことが効果的です。

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【暖房の場合】エアコンの電気代が節約になる温度設定は?

ここまで、夏場のエアコン(冷房)の設定温度について解説してきましたが、冬場の暖房も同様に電気代がかかりやすい傾向があります。

続いて、冬場のエアコンの設定温度の目安と節電効果を見ていきましょう。

設定温度の目安は20℃

冬場のエアコン(暖房)では、室内温度を20℃に設定することが適温とされています。地域によっては外気温が氷点下になることもあり、冷房よりも暖房の方が外気と室温の温度差が大きく、電気代がかかりやすい傾向があります。

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エアコン(暖房)の設定温度で電気代をいくら節約できる?

エアコン(暖房)の設定温度や使用時間を調整するなどの省エネの工夫と節約効果は、以下の通りです。

条件 省エネ行動 節約効果
外気温6℃(使用時間9時間/日) 室内温度を下げる(エアコンを21℃から20℃に変更) 約1,650円
エアコン設定20℃ 必要なときだけ使用(暖房を1日1時間短縮) 約1,260円
フィルターの目詰まり フィルターの掃除(2週間に1回フィルターを清掃) 約990円

※冬季に169日間使用する場合(10月28日~4月14日)
引用:環境省「家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約」

エアコンの暖房は、室外機の熱交換器で外気の熱を取り込み、室内機を通じて放出することで室内を暖める仕組みです。


画像引用:環境省「家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約」

冷房時と同様に、設定温度を1℃下げたり、1日あたりの使用時間を1時間短縮したりすることで、大きな節電効果が期待できます。特に、電気代がかかりやすい暖房は、冷房以上に節約効果があるため、ぜひ取り入れてみてください。

温度設定によるエアコン(暖房)の電気代節約をさらに効果的にする方法

設定温度の調整以外にも、エアコン(暖房)の電気代の節約につながる方法があります。

暖房時の電気代をさらに節約するためには、以下の方法を試してみましょう。

  • エアコンの風を下向きにする
  • 窓に断熱シートを貼る
  • サーキュレーターを使う
  • 他の暖房器具と併用する

それぞれの方法について詳しく解説します。

エアコンの風を下向きにする

エアコンを暖房運転すると、温かい空気は上に溜まりやすくなります。そのため、風向きを下方に設定することで床付近の空気を効率よく暖め、部屋全体が暖まりやすくなります。

特に、足元の冷えが気になる方にとっては、エアコンの風を下向きにすることで、快適に過ごしやすくなるでしょう。スイング機能も使いすぎると足元が暖まりにくくなり、結果的に部屋全体の温度が上がりにくくなってしまうため、風向きを適切に調整することが大切です。

窓に断熱シートを貼る

エアコンの暖房効果を高めるためには、窓に断熱シートを貼り、窓からの冷気の侵入を防ぐこともポイントです。壁には断熱効果があるものの、窓は外気の影響を受けやすいため、断熱シートを貼ることで室温の低下を防げます。

断熱シートであれば賃貸住宅でも手軽に導入でき、コストもそれほどかからないため、電気代を抑える方法としておすすめです。断熱シートを使用することで、室内の暖かい空気を逃がさず、エアコンの稼働時間を短縮できるため、節電効果が期待できます。

サーキュレーターを使う

サーキュレーターを使用すると、暖房で暖められた空気が室内全体に行き渡りやすくなります。暖房時のサーキュレーターの使い方としては、エアコンの対角線上に設置し、風を上向きに送ることがポイントです。

暖房の風を下向きに出し、サーキュレーターを上向きにすることで、室内の空気を効率よく循環させることができます。これにより、暖房効率が向上し、電気代の節約につながります。

他の暖房器具と併用する

エアコンの暖房だけに頼るのではなく、他の暖房器具を併用することで、効率的に部屋を暖めながら電気代を抑えられます。

暖めたい範囲ごとに適した暖房器具は、以下の通りです。

暖房効果 暖房器具
部屋全体を暖める場合 ・オイルヒーター
・ファンヒーター
・パネルヒーター
部分的に暖める場合 ・電気ストーブ
・ホットカーペット
・こたつ

エアコンの室内温度を20℃に設定しても、肌寒さを感じることがあります。その場合、電気ストーブやこたつを併用すると、体感温度が上がり、より快適に過ごせます。

暖房器具のなかでもエアコンは消費電力が大きいため、部分的に暖める暖房器具を活用することで、効率的に暖をとりながら電気代を節約できるでしょう。

電気代の節約ならidemitsuでんきへの切り替えも!

エアコンの温度設定を適切に行うことは、電気代を抑えるために重要です。夏場は28℃、冬場は20℃が環境省では、快適性を損なわない範囲で節電できる室内温度とされています。

なお、電気代を節約するには、こまめな節電に加えて、電気の基本料金や使用電力量に対する単価が安い電力会社に切り替えることもおすすめです。idemitsuでんきでは、地域の電力会社の一般的なプランより電力料金単価が低く設定されているため、電気代の節約につながります。

現在の電気代が高く感じている場合は、ぜひidemitsuでんきの料金シミュレーションを活用して、どれくらい電気代を節約できるかをチェックしてみてください。

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