夏のエアコン温度、何度が正解?身体にもお財布にも優しいエアコン活用法

夏の酷暑を乗り切るためにはエアコンは欠かせないものですよね。
しかしエアコンを使い過ぎると電気代が高くなり、家計に与えるダメージも大きくなってしまいますが、とはいえ無理をすれば熱中症の危険性もあるでしょう。

できるだけ電気代を抑えつつ、快適にかつ健康に夏を過ごすためには、一体どのようにエアコンを使えば良いのでしょうか?
本記事ではエアコンの上手な活用法をお伝えします。ご紹介する活用法からご自身にあった方法を見つけてください。

❏夏の電気使用量、エアコンが3割も占めている!

地域にもよりますが、夏の夜は多くの家庭でエアコンをつけて生活しています。
環境省のデータより、一般的な家庭における電化製品別の電気の使用割合を見てみましょう。
出典:経済産業省 資源エネルギー省「どうやったら節電できる?明日からすぐに役立つ節電・省エネのヒント」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/setsuden_tips.html?_fsi=8llINMxr


北海道・沖縄以外の地域では、エアコンが占める割合が38.3%と他の家電等に比べ圧倒的に高く、沖縄でもエアコンが約30%と、もっとも多くの割合を占めています。
北海道では17.6%と他の地域に比べて低いものの、照明に次ぐ使用量となっており、地域にかかわらずエアコンの使用量が電気代に与える影響が大きいことがわかりますね。

❏夏を快適に過ごせる環境とは?

では、夏を快適に過ごせる環境とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか?

参考となるのが、毎年5月~9月末に国が企業に取り組みを促している「クールビズ」において、適正な室温として提示する「室温28℃」という数字です。

クールビズとは、環境省が地球温暖化対策の一環で行う施策の一つです。冷房に過度に頼らずに過ごせる軽装と、適正室温となるエアコン使用を推奨しているものです。
<参照>https://www.env.go.jp/press/press_01503.html
28℃とありますが、「エアコンの設定温度を28℃にすればよい」のではありません。あくまで「室温」の目安が28℃です。
同じ室温28℃でも、快適に感じるかまたは不快と感じるかは人によって異なるため、すべての人に「室温28℃」が心地良いのではなく微調整も必要になってきます。

また、快適または不快に感じるかは、温度だけではなく、湿度や風のあたり方も関係します。
湿度に関しては一般的に40~60%が快適と言われます。

風にあたると多くの方が涼しく感じるでしょう。室温が同じ場所であっても、その中の空気が動いているかどうかで体感は変わるため、空気を循環させることも快適な環境を作るために大切です。
※参考文献:
①https://j-net21.smrj.go.jp/development/energyeff/Q1182.html
②https://panasonic.jp/kashitsu/contents/humidity.html

❏節約と快適の両方を満たすエアコンの使い方は?

それでは、過度な電力を使わずに快適な環境を整えるには、具体的にどのようにエアコンを使えば良いのでしょうか。おすすめの使い方を4つお伝えします。

①室温28℃・湿度40~60%を目安にしたエアコンの設定

まずは、快適に過ごす目安となる「室温28℃」「湿度40~60%」になるように、エアコンの冷房機能と除湿機能を使って設定しましょう。
その後、ご自身や家族が快適に感じる環境になるように微調整をします。
その際、空気を循環させて快適な環境を作るために、扇風機やサーキュレーターなども併用すると良いでしょう。

設定温度を1℃アップさせると、消費電力を13%ダウンすることができます。
今まで設定温度が必要以上に低かった場合は、少しでも上げるよう意識するのが節約のポイントです。
※参考文献:オフィスでできる節電アクション|環境省
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/setsuden/office/saving01.html

②外出が短時間の場合はエアコンを消さない

電気代の節約のために、外出時はどんな場合でもエアコンを消していませんか?
実は近所への買い物などすぐに戻る外出ならば、エアコンを消さずにつけておく方が節約になるのです。

その理由は、エアコンは外気温と室温の差があるときに一気に電力を消費するためで、短時間の外出の場合には室温を維持し続ける方が電力消費が少なくて済む可能性が高いからです。

「短時間(30分以内程度)の外出時はつけっぱなし、長時間の外出時はオフにする」を意識してみましょう。

③エアコンの自動運転を活用

エアコンの自動運転機能は、エアコンに取り付けられたセンサーが温度を感知して設定した温度になるよう、 環境に応じて自動で判断して冷房・除湿モードの切り替えや風量の調整をしてくれます。
手動で細かく切り変えるより、手間なく効率よく作動するので節約にもつながります。

④クールシェアリングを意識する

クールシェアリングとは、複数台のエアコン使用を抑え、空調の効いた1ヵ所に家族が集まって過ごすことです。
夕食後など時間を決めて家族で集まって過ごす習慣を付けられると、電気代の節約につながりますね。
1日での節約はわずかでも、夏期全体で考えるとかなりの効果が期待できるでしょう。

❏エアコン以外の対策でも電気代ダウン!

エアコンの上手な活用法についてお伝えしましたが、ほかにも簡単に電気代ダウンにつなげることができる対策がありますのでご紹介させていただきます。

①冷感グッズを活用する

水を含ませて首に巻くタオルや、涼しさを感じる素材の衣服など、さまざまな冷感グッズが続々と発売されています。
冷感グッズをエアコンと併用すれば、設定温度が高くても、快適に過ごせることでしょう。

②カーテンやよしずなどで直射日光をカット

日当たりの良い部屋などは、カーテンやよしずで直射日光をカットすることで室温の上昇を防ぐことができます。
外出時にもカーテンを閉めるなど室内の温度が上昇することを防ぎましょう。

③室外機周りの環境を整える

室外機自体の温度が上がると冷房の効率が悪くなり、無駄に電力を使います。
室外機にも日よけを置くなど対策するようにしましょう。また、室外機の周りに物を置かずに、排気口の通りを良くしておくことも大切です。

④お得な電力会社やプランを見つける

家庭によって、エアコンなど家電を重点的に使う時間帯や使用量は異なります。
いまや、電力会社もプランも多くあるため、今の電気の使い方にあった契約となっているか確認しておきましょう。

家族の生活の変化等で、今までお得だったプランが合わなくなることもあります。また、電力会社によっては独自の特典がついておりお得に契約できることもあります。

エネチェンジなど電力会社やご自身の生活スタイルに適した電力プランを簡単に比較検索できるサイトなどもありますので、どのくらいおトクになるかシミュレーションしてみるのも電気代節約の第一歩ですね。

まとめ

夏を乗り切るには欠かせないエアコンですが、室温28℃を目安にして、ご自身の快適な環境づくりをしていきましょう。
ちょっとした使い方の工夫により、快適な環境を保ちつつも、電気代節約も実現できます。
一つ一つは小さく地味な取り組みでも、長期では大きな節約効果を生むでしょう。

この夏はぜひ取り組んでみてくださいね。