節電になる冷房の温度は?つけっぱなしが良いケースや節電方法10選を紹介

電気代を節約する上で、エアコンの節電対策は気になるポイントではないでしょうか。実際、エアコンは消費電力が大きい家電の一つです。電気代の上昇が続く今、エアコンの設定温度を見直すだけでも節電につながります。
本記事では、節電につながる冷房の温度設定や、エアコンをつけっぱなしにした方が良いケース、その他の節電方法について詳しく解説します。ぜひ参考にして、夏の電気代節約に役立ててみてください。
節電になる冷房の温度設定は?
夏場の電気代を抑えるためには、冷房の使い方を見直すことが重要です。特に、室内の温度設定は電気代に大きく影響します。
ここでは、冷房の温度設定で節電する上でのポイントとして、以下の3点を解説します。
- 冷房で推奨する室内温度は28℃
- 冷房の自動運転も節電に効果的
- 「つけっぱなし」と「こまめにオンオフ」を使い分ける
冷房で推奨する室内温度は28℃
環境省では、エアコンを使用した夏場の室温を28℃とすることを推奨しています。ただし、これはエアコンの「設定温度」ではなく「室温」を指すため、実際のエアコンの設定温度は26~28℃程度にしておくことが理想的です。
なお、冷房の使用時には、一気に部屋の温度を下げようとしないことが大切です。エアコンは起動直後のフル稼働している際にもっとも電力を消費します。節電するためには、エアコンがフル回転している時間を最短にすることが望ましいでしょう。
冷房の温度を1℃上げることで、約13%の節電効果が見込まれます。例えば、エアコン(2.2W)の冷房を、夏場の約3ヶ月間(6月2日~9月22日の112日間)使用した場合、設定温度の変更や使用時間の短縮によって得られる効果は以下の通りです。
条件 | 省エネ行動 | 節約効果(約3ヵ月) |
---|---|---|
外気温31℃ 使用時間9時間/日 |
【室内温度を上げる】 設定温度を27℃から28℃に変更 |
約940円 |
エアコン設定28℃ |
【必要なときだけ使用】 冷房を1日1時間短縮 |
約580円 |
1日9時間使用するケースでは、設定温度を27℃から28℃に上げることで約940円の節約につながります。また、冷房の使用時間を1日1時間短縮するだけでも、約580円の節電が期待できます。
とはいえ、近年の夏は連日の酷暑で過ごしにくい日が続くため、快適さを維持しながら節電するには、エアコンの使い方だけでなく、後述するさまざまな工夫も取り入れていくと良いでしょう。
冷房の自動運転も節電に効果的
冷房を効率的に使用したい場合には、「自動運転」モードの活用がおすすめです。自動運転は、室温と設定温度の差に応じて風量や運転状態を自動で調整することで、無駄な電力消費を抑える機能です。
エアコンは、室温とエアコンの設定温度の差が大きいほど、消費電力が大きくなる仕組みです。運転開始直後は室温と設定温度との間に大きな差があるため、電気代がかかりやすいです。

画像出典:mission5-2
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例えば、手動で「強風」に設定していると、室温が十分に下がってもエアコンがフルパワーで稼働し続けてしまいます。
その点、自動運転であれば、設定温度に近づいたタイミングで風量を抑え、省エネモードへと切り替わります。これにより、必要以上に電力を消費することなく、快適な温度を維持することが可能です。
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「つけっぱなし」と「こまめにオンオフ」を使い分ける
冷房は、状況に応じて「つけっぱなし」と「こまめなオンオフ」を使い分けた方が節電につながります。
使い分けのポイントは、外出時間の長さと外気温です。例えば、日中の外出時間が30分程度で、外気温が35℃以上となる猛暑日の場合、エアコンを消すとすぐに室温が上昇してしまうため、つけっぱなしにした方が、再稼働時の消費電力を抑えられます。
一方で、夜間の外出や外気温が30℃前後の日であれば、室温は急激に上がりにくいため、こまめにオンオフする方が節電につながります。
もちろん、1日中外出するような長時間の不在時には、エアコンを切って出かけるのが効果的です。
温度設定以外で冷房を節電する方法10選
冷房を使用する際、温度設定の他にもさまざまな節電方法があります。設定温度以外で冷房を節電する方法は、以下の通りです。
- 風向きや風量を工夫する
- サーキュレーターを活用する
- タイマー機能を使う
- フィルターを掃除する
- 室外機の周りを掃除する
- エアコンを買い換える
- 室外機は日陰に設置する
- カーテンを閉めて日光を遮断する
- 軽装で過ごす
- 電力会社を見直す
ここでは、これら10種類の節電方法を詳しくご紹介します。
風向きや風量を工夫する
エアコンは風向きや風量を工夫すると、室内を効率良く冷やせるようになります。冷房を使用する際の風向きは、「上向き」または「水平」の方向がおすすめです。
肌に直接冷たい風が当たった方が涼しく感じやすいですが、冷たい空気は下層にとどまる性質を持ちます。室内の温度を効率良く下げるためには、上向きや水平に冷たい風を送ることが大切です。
また、風量についても注意が必要です。多くの方が「微風の方が電気代を抑えられる」と思いがちですが、風量が弱いと室温を下げるまでに時間がかかり、かえって多くの電力を消費してしまうことがあります。
風量で節電を心掛けるなら、「自動運転」にしておくと効果的です。自動運転は、室温に応じて最適なタイミングで「強風」や「微風」に切り替わるため、適切な消費電力で快適な室温を保つことができます。
サーキュレーターを活用する
冷房と併用して節電効果を高めるなら、サーキュレーターを活用することもおすすめです。冷たい空気は床付近にたまりやすく、上の方の空気はなかなか冷えません。サーキュレーターで空気を循環させることで部屋全体の温度を下げやすくなり、エアコンの無駄な運転を抑えて電気代を削減できます。
サーキュレーターを使用する際は、エアコンの風が届く方向に背を向けて設置し、遠くまで冷風を循環させるイメージで運転させましょう。ロフトのある部屋の場合は、エアコンの直下にサーキュレーターを置き、「エアコンの風は下向き、サーキュレーターの風は上向き」の状態で、ロフト部分へ冷風を送るイメージで使用すると効果的です。
早く室内温度を下げることができれば、エアコンの稼働時間を短縮できるため、結果的に節電につながります。
タイマー機能を使う
冷房の節電には、タイマー機能の活用が有効です。必要なときだけ運転することで、無駄な電力消費を防ぐことができます。
エアコンのタイマー機能の使い方は、主に次の2つです。
- 就寝前に冷房をつけ、タイマーでオフにする
- 帰宅時間帯・起床時間帯に合わせ、タイマーでオンにする
室内を冷やして快適に過ごすだけでなく、冷房の使用が長時間にならないように工夫することで、節電効果が期待できます。
フィルターを掃除する
エアコンのフィルターは、空気中のほこりや花粉、ペットの毛などをキャッチする仕組みです。定期的に掃除しておかなければ冷房機能が低下し、消費電力も増加してしまいます。そのため、こまめなフィルター掃除は、エアコンを節電しながら快適に使うために不可欠です。

引用:無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
特に、ペットがいる家庭や喫煙する部屋では、1週間に1度のペースでエアコンのフィルター掃除を行うことが推奨されます。なお、特にエアコンのフィルターが汚れる原因がない場合でも、月に2回はフィルターの掃除をした方が良いでしょう。
エアコンのフィルターが目詰まりすると、効率が落ちるだけでなく故障の原因となる可能性があります。省エネのエアコンや自動運転を使っている場合でも、フィルターの目詰まりにより室内の温度が下がりにくくなり、フル回転時間が長くなることで電気代が高くなりやすいため注意しましょう。
室外機の周りを掃除する
エアコンの効率を高めて節電につなげるためには、室外機周囲の環境整備が欠かせません。室外機の吹き出し口付近に物を置いたり、周囲にゴミが落ちたりしていると、冷房の効果が下がってしまいます。
室内のエアコンと室外機をつなぐ配管には、冷媒と呼ばれるガスが入っています。冷房時、室内のエアコンに取り込まれた熱は室外機の熱交換器に取り込まれ、冷やされた空気がエアコンを通じて室内に送られる仕組みです。
室外機付近の風通しが悪くなると、空気が通りにくくなり、効率よく室内温度を下げられなくなってしまいます。エアコンの冷房性能を最大限に活かすためにも、室外機の周りは定期的に掃除し、余計なものを置かないようにしましょう。
エアコンを買い替える
古いエアコンを使い続けていると、電気代が高くなる可能性があります。一般財団法人 家電製品協会の「2024年版 スマートライフおすすめBOOK」によると、最新のエアコンは、10年前のエアコンと比較すると約14%の省エネ効果があるとされています。

引用:一般財団法人 家電製品協会「2024年版 スマートライフおすすめBOOK」
省エネタイプの最新エアコンに買い替えることで、エアコンを使用する期間の消費電力が抑えられ、電気代の節約につながります。
また、家族構成の変化や生活スタイルの変化により、部屋の使い方が変わってくることもあるでしょう。設置する部屋の広さや用途に合ったエアコンを選ぶことで、さらに効率的に冷房を使うことが可能です。
長年使用しているエアコンは、冷房の効きが悪くなったり異音が出たりすることもあります。そのため、本格的な夏を迎える前に試運転を行って状態を確認し、10年程度使用しているエアコンは買い替えを検討することも節電方法の一つです。
室外機は日陰に設置する
冷房を効率的に運転させるためには、室外機を日陰に設置することがおすすめです。室外機は、エアコン内部の熱を外に排出する役割を担っており、その働きがスムーズに行われることで、室内を効率よく冷やすことができます。
しかし、エアコンと室外機を結ぶパイプ内を通る「冷媒」と「外気温」の温度差が大きくなりすぎると、室外機の冷却機能は低下し、室温を効率良く下げられなくなります。
屋外に設置されている室外機周辺は、気象条件や設置状況によっては夏場で45℃を超える場合もあるため、室外機はできるだけ日陰に設置し、高温から守るよう工夫しましょう。
なお、室外機を日陰に設置できない場合は、すだれやシェードを使用して日陰を作ることも効果的です。ただし、室外機の吹き出し口をふさがないよう、すだれを直接かぶせたり、板で囲ったりするのは避けるといった注意が必要です。
カーテンを閉めて日光を遮断する
夏の冷房使用時は、エアコンの設定温度と室温との差が大きいほど、室内が冷えるまでに長時間フル稼働することになります。そのため、冷房効率を上げるには、室温の上昇を抑える工夫が必要です。
室温は外気温だけでなく、窓から差し込む直射日光によっても上昇するため、エアコンを使用する際は遮光カーテンを閉めて、できるだけ日差しを遮ることが重要です。
また、外出時にエアコンを停止する場合でも、室内の温度上昇を防ぐためにカーテンを閉めておくと、帰宅後エアコンを再び稼働させた際に無駄な電力を使わずに済み、節電につながります。
一方で、ブラインドはカーテンに比べて遮熱効果が低く、隙間から熱気が入りやすい点に注意が必要です。ブラインドを使っている場合は、遮光カーテンと併用することで断熱効果が高まり、より効率的に室内を冷やすことが可能です。
軽装で過ごす
夏の冷房による電気代を抑えるには、服装の工夫も大切です。環境省では、省エネルギーへの取り組みとして、屋内で快適に過ごせる「クールビズ」を推奨しています。
実際に、同じ室温でも、クールビズの有無によって体感温度は1~2℃異なると言われています。冷房の設定温度を1度下げるだけで電気代を節約できるため、屋内では軽装で過ごす工夫が欠かせません。
軽装を取り入れることで、エアコンの使用時間や設定温度が変われば、夏場の電気代を削減しやすくなるでしょう。
電力会社を見直す
どれだけ節電を意識しても、生活スタイルやニーズにあっていない電気料金プランを利用していると、大きな節約効果は生まれにくいです。電気代の節約を考える上で、契約している電力会社や料金プランの見直しも重要なポイントです。
電力自由化により、現在では各電力会社が異なる料金体系やサービスを提供しており、自分に合ったプランを選ぶことで、より大きな節約が可能です。
例えば、地域の電力会社とidemitsuでんきの料金単価を比較すると、以下のように使用電力量が多いほどその差が電気代に大きく影響することがわかります。

特にエアコンを多用する夏場は、月間の使用量が増える傾向にあるため、料金単価の違いが大きな節約につながることもあります。
もし、現在の電気代が「高いかも」と感じているなら、一度idemitsuでんきなど他の電力会社との料金プランを比較してみることがおすすめです。
以下の記事では、世帯人数や月別、季節や地域別で1ヶ月あたりの平均的な電気代をご紹介していますので、見直す際の参考にしてみてください。
電気代の節約ならidemitsuでんきへの切り替えも!
冷房時の節電には、エアコンの使い方を工夫することが重要です。適切な温度設定や自動運転機能を活用することで、夏場の電気代を大きく節約できるでしょう。
また、エアコンは必ずしも毎回オフにすれば良いというわけではなく、短時間の外出や時間帯によっては、つけっぱなしの方が効率的な場合もあります。電気代が家計を圧迫しやすい昨今、エアコンを賢く使いこなすことが大切です。
夏のエアコン節約術を試すまえに、適切な電気料金プランであるかを確認しておくことも大切です。
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現在の電気代が高いと感じる方は、idemitsuでんきの電気料金シミュレーションを活用し、どれくらい節約できるかを一度確認してみてはいかがでしょうか。