飲食店の電気代相場はいくら?電気代が高くなる理由や節約方法とは

飲食店にとって、電気代は大きな支出の一つです。特に近年の電気料金の高騰により、電気代にお悩みの経営者も少なくないのではないでしょうか。電気代を抑えるためには、飲食店の電気代の相場や高くなる原因を把握し、節電対策を講じることが重要です。

本記事では、飲食店の電気代の相場や平均、電気代が高くなる理由、節約方法について解説します。電気代で悩んでいる飲食店の方は、ぜひ参考にしてみてください。

飲食店の電気代の相場・平均は?

飲食店の電気代について、公的な調査データは出ていないものの、一般的に飲食店の電気代は売上の3~7%といわれています。

具体的な電気代の目安は、売上規模に応じて以下のように変化します。

 

売上金額 電気代の目安(3〜7%)
50万円 15,000~35,000円
100万円 30,000~70,000円
150万円 45,000~105,000円
200万円 60,000~140,000円
300万円 90,000~210,000円

 

電気代がかかる設備として、空調や照明、調理機器などが挙げられます。売上が増加するほどこれらの設備の使用量が増えるため、電気代の負担も大きくなります。

但し、売上と電気代の比率は営業時間や店舗形態によっても異なります。売上に対して電気代の負担が大きいと悩んでいる場合は、電気代の見直しを検討すると良いでしょう。

相場より電気代が高くなりやすい飲食店

飲食店は、さまざまな電気機器を使用するため、電気代が高騰すると経営にとって大きな影響を与える可能性があります。経営を安定させるためには、事前に電気代が高くなりやすい飲食店の特徴を把握しておくことが重要です。特に、個人で飲食店を開業されている方や、開業を考えている方にとっては、注意しておくべきポイントとなります。

ここでは、相場より電気代が高くなりやすい飲食店について、業種と立地による電気代の違いを解説します。

業種による違い

照明を多く利用したり、電気による調理器具を多く使ったりする飲食店の場合では、電気代が高くなりやすいです。

例えば、焼肉店や焼き鳥店などでは、24時間換気システムが稼働していることが多く、その分電力消費が増加します。また、メニューが豊富な店舗や大型冷蔵庫・オーブンを使用している大規模な店舗も、電気代が高くなる傾向があります。

さらに、居酒屋やバーなど、深夜営業で店舗内外で長時間照明器具を使用する店舗も同様に電気代が高くなりやすいです。

立地による違い

飲食店の立地も、電気代に大きな影響を与えます。繁華街や大通り沿いに出店する場合、集客のために照明付き看板を設置する必要があり、電気代が高くなりやすいです。

また、地域の気候も電気代に影響を与えます。例えば、寒冷地の北海道や東北などでは冬場の暖房費用がかかり、温暖な気候の沖縄や九州では夏場の冷房費用が増加します。これらの地域では、上記の電気代の目安よりも高くなる可能性があるため、あらかじめ考慮しておく必要があります。

他にも、都市部と地方では電力会社ごとに料金体系が異なり、基本料金や、使用した電力量に応じて支払う「電力量料金」が異なる点にも注意が必要です。

さまざまな観点からみる電気代の平均額については、以下の記事で詳しく解説しています。

電気代の月平均はいくら?月別・世帯別に解説!

飲食店の電気代を削減する節約方法

飲食店は電気代が高くなりやすく、特に光熱費が値上がりしている近年、照明・空調・大型冷蔵庫などの設備使用が経営に大きな影響を与えることが多いです。

しかし、これらは飲食店の運営に欠かせない設備であり、電気代の負担を軽減するためには、消費電力が大きい機器の使い方や設定の見直しが必要です。

ここでは、飲食店の電気代を削減する節約方法として、以下の4つの方法をご紹介します。

  • 空調の温度を適正温度に見直す
  • 照明はLEDを使用する
  • 冷蔵庫を開ける時間を短くする
  • 電力会社の切り替えを検討する

空調の温度を適正温度に見直す

電気代の中でも空調は大きな割合を占めており、設定温度を適切に調整することで節約が可能です。空調設備の適正温度として、夏場は28℃、冬場は20℃の室温が推奨されています。

環境省のデータによると、空調の温度を1℃調整するだけで、消費する電力量は冷房時に13%、暖房時には10%の削減が期待できるといわれています。仮に1カ月の空調費が20,000円かかっている場合、夏なら約2,600円/月、冬なら約2,000円/月の節約が見込めます。

店舗の業態や客層によっても異なるため、最適な温度設定に調整し、過剰に空調を強くしないよう意識すると良いでしょう。

照明はLEDを使用する

店舗や看板に照明を多く使用している飲食店の場合、LED電球を導入することで節電効果が得られます。

エネルギー庁のデータによると、一般的な白熱電球とLED電球を比較すると、年間の電力消費量や電気料金に以下のような節約効果があります。

交換前の照明 7.5WのLED電球に交換したときの節約効果
年間電力 年間電気料金
54Wの白熱電球 93kWh 約2,883円
12Wの電球形蛍光ランプ 9.0kWh 約279円
12Wの照明器具 68.0kWh 約2,108円

 

例えば、54Wの白熱電球を7.5WのLED電球に交換するだけで、年間約2,883円の節約が可能です。また、照明をこまめに消すことも電気代節約に効果的です。店舗や看板の照明をLEDに変更し、エネルギーを無駄にしないようにしましょう。

冷蔵庫を開ける時間は短くする

冷蔵庫の開け閉めは電気代に直結するため、なるべく短時間で行うことが大切です。経済産業省では、冷蔵庫を開けている時間を20秒から10秒に短縮するだけで、消費電力が6.0kWhの削減、電気代を年間約190円削減できるとしています。

飲食店では大型冷蔵庫や業務用冷蔵庫を使用しているため、この節約効果はさらに大きくなります。材料の収納場所を決め、素早く取り出すことで冷蔵庫を開ける時間を短くするなど工夫しましょう。

電力会社の切り替えを検討する

店舗の電気代が高いと感じている場合、電力会社の見直しを検討することも効果的です。電気の使用量に応じて電気代が加算される電力量料金は、地域によって水準が異なることに加え、電力会社によっても差があります。

例として、idemitsuでんきといくつかの地域の電力会社の一般的な電力プランを比較すると、下表のように電力会社ごと、地域ごとに電力量料金単価が異なることがわかります。

電力量単価の比較 プラン(/kWh) idemitsuでんき
北海道電力 ・120kWh以下:35.35円
・121~300kWh:41.64円
・301kWh:45.36円~
・120kWh以下:35.35円
・121~300kWh:40.40円
・301kWh:41.93円~
東北電力 ・120kWh以下:29.62円
・121~300kWh:36.37円
・301kWh:40.32円~
・120kWh以下:29.62円
・121~300kWh:35.69円
・301kWh:37.92円~
東京電力 ・120kWh以下:29.8円
・121~300kWh:36.4円
・301kWh:40.49円~
・120kWh以下:29.8円
・121~300kWh:34.76円
・301kWh:37.1円~

 

地域の電力会社もidemitsuでんきも、電力量料金単価は電力量が多くなるほど高くなり、idemitsuでんきでは、「121~300kWh」「301kWh以上」の電力量料金が地域の電力会社よりも安く設定されています。大量の電力を使う飲食店や大規模店舗では、この単価差が影響を与えます。

特に多くの電力を消費する店舗にとっては、長期的に見ると大きな節約が期待できます。

いくらおトクになる?料金シミュレーション

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電気代の高騰は、飲食店の経営者にとって大きな負担となり、特に個人経営や小規模の店舗の場合は利益を圧迫する要因にもなります。空調・大型冷蔵庫・照明設備などの使い方の見直しによる節電に加え、電力会社の料金プランを見直すことで、より大きな削減効果が期待できます。

まずは、idemitsuでんきの料金シミュレーションを活用し、今の電気代と比較してみてください。電力会社や電力プランを見直し、無理なく経費を削減しましょう。

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