オール電化で後悔しないためのポイントとは?事例とあわせて紹介

近年、環境への配慮や光熱費の削減といった理由から、オール電化住宅への注目が高まっています。しかし、導入を検討する中で「本当に後悔しないだろうか?」と不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。
オール電化を導入する際には、ご家庭の生活スタイルや地域の特性、さらには災害への備えなども含めて慎重に検討することが大切です。
本記事では、オール電化住宅の事例や、失敗を防ぐためにあらかじめ注意しておきたいポイントについて詳しく解説します。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
オール電化住宅で後悔しやすい事例
オール電化住宅は、光熱費の一本化や火を使わない安心感、環境配慮といったメリットから多くの注目を集めています。しかし、実際に導入した後に「こんなはずではなかった…」と後悔するケースもゼロではありません。特に、電気代の高騰や生活スタイルとのミスマッチ、災害時の停電リスクなどは、導入前には気付きにくい落とし穴です。
ここでは、オール電化の後悔したポイントについて、背景や注意点を詳しく解説します。
- 想像よりも電気代が高かった
- お湯が切れると再沸騰に時間がかかる
- 停電すると何も使えなくなる不安
- 初期費用が高かった
- ガスファンヒーターのほうが暖かかった
- お湯を使う頻度が少なかった
- 火が使えなくて料理が不便になった
想像よりも電気代が高かった
近年、電気代の値上がりが続いており、オール電化住宅の家庭にとって大きな打撃となっています。北海道や東北などの寒冷地では、暖房の使用が増える冬場に1カ月の電気代が10万円を超えることもあり、「光熱費を安くするつもりが、むしろ高くなってしまった」と後悔することがあります。
また、昼間に在宅で電気を多く使う家庭では、夜間電力の割引が活かせず、電気代が予想以上に高くなるケースも多いです。オール電化に変える前、オール電化住宅の電気代について確認するだけでなく、ご家庭のライフスタイルや居住者の行動時間も確認することで後悔を回避できるでしょう。
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お湯が切れると再沸騰に時間がかかる
家族の生活リズムがバラバラで、入浴の時間帯が重なるようなご家庭では、エコキュートにためているお湯が途中で切れてしまい、再沸騰の待ち時間にストレスを感じることがあります。
特に、複数人が夜間に続けてお風呂を使う場合や、来客時などに大量のお湯を使った場合には、お湯が出るまでに時間がかかります。
エコキュートは、ガス給湯器と比較して再沸騰には時間がかかり、一般的なエコキュートでは、約1時間で100L程度(約80℃)のお湯がたまります。これは1分あたり約1.5L程度の供給量に相当し、短時間で大量に使いたい場合に不便を感じるでしょう。
こうした「すぐにお湯が使えない不自由さ」が、オール電化にした後に後悔するポイントの一つとなっています。
停電すると何も使えなくなる不安
「オール電化は災害に弱い」と言われる理由の一つが、停電した場合、家中の家電が使えなくなってしまう点です。地震や台風、落雷などで停電が起きた場合、IHコンロでの調理やエコキュートでのお湯の供給、エアコンによる暖房など、生活に欠かせない機能が一切使えなくなります。
電気は他のライフラインと比べて復旧が早いという特徴がありますが、災害の状況によっては停電日数が多くなるケースもあります。
電気への依存度が高いオール電化住宅では、停電によってほとんどの家電が使えなくなり、生活が極端に制限される不安から後悔につながっていると考えられます。
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初期費用が高かった
オール電化にすると、調理器具やエコキュートなど、新たな設備を導入しなければならず、初期費用に費やした金額に後悔するケースも見られます。
具体的に、調理や給湯にかかる設備をガスとオール電化で比較すると、以下のような費用差が生じます。
初期費用 | ガス仕様 | オール電化仕様 |
---|---|---|
調理 | ガスコンロ:15万~20万円 | IHクッキングヒーター:20万~30万円 |
給湯 | ガス給湯器:15万~20万円 | エコキュート:30万~50万円 |
このように、オール電化仕様の初期費用は、ガス仕様の場合よりも20万〜40万円程度高くなることが分かるでしょう。
さらに、太陽光発電や家庭用蓄電池も導入した場合、160万〜350万円ほどの追加費用が発生します。これらの高額な初期費用に見合うだけのメリットが得られないと感じることも、後悔につながる要因です。
ガスファンヒーターのほうが暖かかった
寒い季節に帰宅した際、「以前使っていたガスファンヒーターの方が、部屋がすぐ暖まった」と後悔する方もいらっしゃるようです。
ガスファンヒーターは点火後すぐ、5秒ほどで温風が出るとされており、即暖性に優れているのが特徴です。一方で、オール電化で使われる床暖房やエアコンは、部屋が暖まるまでに時間がかかることが多く、特に冬の寒さが厳しい地域では不便に感じることもあります。
例えば、床暖房では起動から暖かさを感じ始めるまでに10分ほどかかり、室温を10〜15℃上昇させるには約30分かかります。さらに、床の温度を18℃から28〜30℃に上げるまでには2時間程度かかることもあります。
そのため、急ぎで暖を取りたい場面ではガス暖房の方が快適と感じ、結果的にエアコンと併用することで電気代が高くなり、後悔するケースも多いようです。
お湯を使う頻度が少なかった
在宅時間が短いご家庭や、お湯を使う頻度が少ない生活スタイルの場合、「せっかくお湯を沸かしても無駄になってしまう」と感じることも後悔する要因の一つです。
オール電化では、エコキュートによって夜間にあらかじめお湯を沸かしてためておくため、いつでもお湯を使えるようになっています。しかし、出張や外出でお湯を使う機会が少ない場合でも、深夜になると自動で沸騰を開始します。使用しなかったお湯に対しても電気代が発生することで、無駄に感じてしまうでしょう。
ただし、最近のエコキュートには、期間を指定して湯沸かしを停止する機能が搭載されている機種もあるため対策ができます。
火が使えなくて料理が不便になった
オール電化にすると、キッチンのコンロにはIHクッキングヒーターが採用されます。そのため、ガスのように強火で一気に炒めたり、直火で炙ったりといったガスならではの調理が難しくなります。
また、ガスの直感的な操作に慣れていた方にとっては、IHのデジタル操作に慣れるまでストレスを感じることもあります。
IHクッキングヒーターには、火を使わない安全性やお手入れのしやすさといったメリットもありますが、特に火を使った調理にこだわりがある方は、後悔しないように注意が必要です。
オール電化住宅にして後悔しないための事前チェックポイント
オール電化の導入後に後悔しないためには、事前に生活スタイルや住環境、設備の特徴をしっかりと理解し、オール電化に向いているかどうかを見極めることが重要です。
ここでは、オール電化の導入で後悔しないためのポイントとして、以下の5つを見ていきましょう。
- オール電化住宅に向いている生活スタイルか確認する
- エコキュートの特徴を理解しておく
- 自家発電や蓄電池の導入を検討する
- 補助金制度を上手に活用する
- 家庭に合った電気料金プランを選ぶ
オール電化住宅に向いている生活スタイルか確認する
オール電化住宅の場合、「夜間に電気代が安く、昼間は電気代が高い」電気料金プランに加入し、夜間にエコキュートでお湯を沸かすのが一般的です。そのため、ご自身やご家庭の生活スタイルも考慮して、オール電化が適しているかどうかを確認することが大切です。
例えば、共働き世帯や学生がいるなど、日中は留守にすることが多い家庭の場合、夜間の安い電気を有効活用できるため、オール電化による光熱費のメリットを実感しやすいでしょう。
一方で、子育て世帯や在宅での仕事が多い方、高齢者がいる家庭など、日中に家にいる時間が長い場合、昼間の電気使用量が増え、電気代の高さに後悔する可能性があります。
生活スタイルに合わせて光熱費の最適化を図るためにも、まずは日常的な電気の使い方や在宅時間帯を確認しておくことが重要です。
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エコキュートの特徴を理解しておく
オール電化でお湯を供給するためには「エコキュート」の導入が基本となります。エコキュートは、「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンク」の2つの機器で構成されており、これらが機能してお湯を使用できるようになっています。
一般的に、お湯は夜間の電気料金が安い時間帯にヒートポンプユニットで沸かし、貯湯タンクにためて1日かけて使う仕組みになっています。そのため、貯湯タンクのお湯で1日過ごすことができれば、電気代を安く抑えることが可能です。
しかし、日中に貯湯タンクのお湯を使い切ってしまうと、追加でお湯を沸かす必要があり、その際には高い昼間の電気料金が適用されてしまいます。
エコキュートを上手に活用するには、家族構成を考慮し入浴時間の調整なども必要になります。導入前にエコキュートの特性をよく理解し、電気代を無駄にしない運用ができるかどうかを考えておくことが大切です。
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自家発電や蓄電池の導入を検討する
オール電化の電気代を本格的に抑えたいと考えるなら、自家発電(太陽光発電など)や家庭用蓄電池の導入をセットで検討することがおすすめです。
オール電化にすることでガス代はかからなくなりますが、その分すべてのエネルギーを電気に頼ることになり、電気代の負担が大きくなる傾向があります。そのため、オール電化だけで光熱費全体を削減することは難しく、節約効果を得るにはさらなる工夫が必要です。
太陽光発電設備を導入し、日中に太陽光で発電した電気を使用することで、電気代が割高になる時間帯の電気の購入を抑えることができます。さらに、停電時にも太陽光で発電した電気を使えるという点でも安心です。
なお、発電した電気の余剰分を売電せずにため、他の時間に使うには、家庭用蓄電池が必要です。オール電化と太陽光発電の導入には100万円以上かかる場合もあり、家庭用蓄電池を導入するとさらに費用がかかると考えられます。
初期費用はかかりますが、長期的にみれば、余剰電力の売却や電気の自給自足により、初期費用を回収できる可能性もあります。そのため、オール電化にする際は、太陽光による自家発電や家庭用蓄電池もあわせて導入することを検討すると良いでしょう。
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補助金制度を上手に活用する
オール電化を導入する際には、国が実施している補助金制度を活用することが重要です。近年では、省エネや脱炭素社会の実現を目指す取り組みの一環として、さまざまな補助金制度が整備されています。
主な補助金制度は、以下の通りです。
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 令和7年度 戸建住宅ZEH化等支援事業
- 給湯省エネ2025事業
- DR家庭用蓄電池事業 など
オール電化にすると、IHクッキングヒーターやエコキュート、床暖房などの導入も必要になります。さらに、リフォームを伴う場合は、既存設備の撤去や電気配線工事などで追加費用も発生します。そのため、導入にかかる費用として60万〜300万円程度を見込んでおく必要があるでしょう。
こうした初期投資を少しでも抑えるためには、国の補助金だけでなく、都道府県や市区町村で併用できる補助金があるかどうかも確認しておくことが大切です。
なお、補助金は年度ごとに予算が決まっており、先着順で受け付けられるケースが一般的です。補助金の予算の上限に達してしまうと募集が終了してしまうため、計画的にスケジュールを立て、早めに申請の準備を進めましょう。
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家庭に合った電気料金プランを選ぶ
2016年の電力自由化以降、各家庭に合った電気料金プランを選べるようになりました。電力会社ごとに電気料金単価やプラン内容が異なるため、自分の生活に適した電気料金プランを選ぶことが、光熱費削減につながる重要なポイントとなっています。
例えば、idemitsuでんきでは、オール電化住宅に特化した料金プランをご用意しており、夜間帯の電気代が割安になる仕組みです。この時間帯を中心に電力を使用する生活スタイルの家庭であれば、大きな電気代の節約が見込めます。
また、「節電ポイント」や「継続利用ポイント」などのポイントプログラムも充実しており、電気代の節約だけでなくポイント還元によるおトクも得られます。
電力会社を変更しても、送電される電気の品質は変わらないため、オール電化住宅でも安心して利用できる点も魅力です。
オール電化住宅にお住まいの方、これからオール電化住宅を検討する方、そして電気料金の見直しを検討している方は、idemitsuでんきで生活スタイルに合ったプランを検討してみてください。
オール電化住宅ならidemitsuでんきで電気代がおトクに!
自宅をオール電化にしたものの、「思ったより電気代が高くなってしまった…」と後悔している方もいらっしゃるでしょう。オール電化住宅で「後悔したくない」と感じている場合は、生活スタイルや設備、料金プランなど、事前に押さえておくべきポイントを理解しておくことが大切です。
また、すでにオール電化住宅にお住まいの方でも、対策次第で電気代の負担を軽減することが可能です。特に、電気料金プランの見直しは効果的で、オール電化住宅に特化したプランを選ぶことで、電気代を大幅に抑えられます。
idemitsuでんきでは、夜間の電気料金がおトクになるオール電化プランを用意しており、生活スタイルにあわせて無理なく電気代を節約できます。
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