オール電化とは?電気料金を抑えるコツまで解説
近年、光熱費の節約や安全性、省エネの観点から、オール電化住宅が注目を集めています。
しかし、オール電化に関心を持ってはいるものの、詳しいメリットやデメリットについては、よく知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オール電化のメリットとデメリット、導入費用、電気料金を抑えるコツまで詳しく解説します。オール電化に興味がある方や、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
オール電化とは?

オール電化とは、キッチンや給湯、冷暖房など家庭で必要なエネルギーをすべて電気でまかなう仕組みのことです。
一般的な住宅では、調理にはガスコンロ、給湯にはガス給湯器を使用します。ご家庭によっては、暖房にガスファンヒーターを使用している場合もあるでしょう。
一方、オール電化住宅では、ガスを一切使用せず、すべての設備を電気で動かします。例えば、調理にはIHクッキングヒーター、給湯にはエコキュート、暖房には電気式の床暖房などを用います。
2016年からスタートした電力自由化により、電力会社やプランを消費者が自由に選べるようになりました。オール電化住宅も、プランや使い方次第で、光熱費を削減することが可能です。火を使わないため、安全性が高い点も特徴です。
また、IHやエコキュートといった設備の性能が向上したこともあり、オール電化の人気は高まっています。
オール電化のメリット
オール電化の主なメリットは、以下の4点です。
- 光熱費を抑えられる
- 火災などの事故のリスクを減らせる
- 災害に備えることができる
- キッチンの掃除がしやすい
それぞれ、詳しく解説していきます。
光熱費を抑えられる
オール電化の最大のメリットの一つが、光熱費を削減できる点です。
電気とガスを併用している場合、それぞれに基本料金がかかります。しかし、オール電化にすれば基本料金がかかるのは電気代のみです。そのため、ガスの基本料金の分、光熱費を抑えることができます。
加えて現在では、夜間の電気料金が安くなるなど、オール電化住宅向けのプランを提供する電力会社が増えてきています。自分のライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、より光熱費を抑えることができるでしょう。
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火災などの事故のリスクを減らせる
安全性の高さも、オール電化の大きなメリットです。オール電化住宅で使用されるIHクッキングヒーターやエコキュートなどの機器は、火を使わずに熱を生み出すため、火の不始末による火災や、ガス漏れによる一酸化炭素中毒といった、事故のリスクを減らすことができます。
小さな子どもや高齢者がいる家庭でも安心して利用できるでしょう。
災害に備えることができる
オール電化住宅は、災害時、特に大雨や台風などの災害で断水が発生した際の備えとしても有効です。
オール電化住宅には、基本的に給湯器としてエコキュートが備わっており、そのタンク内に水を貯めておくことができます。エコキュートの容量は最低でも370Lあり、貯めておいた水は生活用水として一時的に利用することも可能なので、断水時にも安心です。
また、災害時において、電気は水道やガスよりも早期に復旧する傾向にあります。実際に、東日本大震災や阪神・淡路大震災でも、電気が最も早く復旧しました。

この点を踏まえても、生活設備を全て電気でまかなうオール電化住宅は、一般的な住宅よりも災害に強いと言えるでしょう。
キッチンの掃除がしやすい
オール電化住宅では、調理にIHクッキングヒーターを使用します。IHは、ガスコンロと比べて凹凸が少ないため、掃除が非常に簡単です。汚れてもふきんで拭き取るだけで簡単にお手入れができるため、キッチンを常にきれいに保つことができます。
また、IHは火を使わないため、ガスコンロと違って油煙やにおいが広がりにくく、換気の手間や壁の汚れも少なくなります。掃除が楽になり、キッチンや室内を快適で清潔な環境に保てるのがメリットです。
オール電化のデメリット
ここまでオール電化のメリットについて紹介してきましたが、もちろんデメリットも存在します。主なデメリットは、以下の4点です。
- 初期費用が高い
- 停電時に機能が停止する
- 調理器具が制限される
- 昼間の電気代が高くなる場合がある
メリットとデメリットの両方を把握したうえで、導入を検討してください。
初期費用が高い
オール電化住宅のデメリットの一つが、高い初期費用です。エコキュートは30万円以上、IHクッキングヒーターは10万円以上が導入時にかかります。これらはガス給湯器やガスコンロよりも高額です。
しかし、初期費用は高いものの、光熱費の節約や災害への備えといった長期的なメリットを考慮すると、将来性のある投資とも言えるでしょう。
オール電化導入を検討する際には、どのくらい電気代を節約できるのか、シミュレーションしてみるのがおすすめです。
また、オール電化設備に関する補助金制度を設けている自治体もあるので、確認しておくとよいでしょう。例えば、資源エネルギー庁の「給湯省エネ2025事業」では、対象のエコキュートを設置することで最大13万円/台の補助を受けられます。
停電時に機能が停止する
オール電化住宅では、全ての生活設備を電気に頼っているため、災害などで停電が発生すると、すべての機能が停止してしまいます。
先ほども触れたように、電気は水道やガスといった他のライフラインと比べて復旧が早い傾向にありますが、それでも復旧するまでの対策は必要です。
エコキュートがあれば一時的な生活用水は確保できますが、IHクッキングヒーターなど調理設備は使えなくなります。そのため、カセットコンロやガスボンベなど、非常時用の調理器具を備えておくことが重要です。
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調理器具が制限される
オール電化住宅で使用するIHクッキングヒーターでは、IHに対応していない調理器具を使えません。ガスコンロから切り替える場合、調理器具もIH対応のものに買い替える必要があります。火を使用しないため、直火調理ができなくなる点にも留意しておきましょう。
調理器具や調理方法の制限があるものの、IHならではの魅力もあります。例えば、IHはガスコンロよりも熱効率が高く、無駄が無く大火力を得られます。
また、ガスコンロは周囲の温度を上げてしまいますが、IHは調理器具へ直接熱が通ります。そのため、IHの方が調理中の暑さが抑制され、夏場でも比較的快適に料理を楽しめるでしょう。
昼間の電気代が高くなる場合がある
オール電化向けの電気料金プランは、夜間の料金を安く、日中の料金を高く設定している場合が多いです。そのため、昼間に電気を多く使う家庭では、想定より電気代が高くなってしまう可能性があります。
在宅ワークで日中も在宅する方や、昼間に洗濯・掃除を行う習慣がある家庭では注意が必要で、生活スタイルに合ったプラン選びが大切です。
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オール電化にかかる費用
オール電化の導入を検討する際、特に気になるのが費用面でしょう。
ここでは、導入時の初期費用と毎月の電気代について詳しく解説します。
導入にかかる費用
初期費用は、先程も触れたように高額な傾向にあります。最低限必要なエコキュートとIHクッキングヒーターを取り付けるだけでも、40〜150万円程度の費用がかかります。
初期費用は機種やグレードによって大きく異なります。ただし、費用を抑えてグレードの低い機種を選択してしまうと、期待していたほど光熱費を節約できない可能性もあるため、注意が必要です。
オール電化の導入を検討する際には、初期費用だけではなく、機種の機能や長期的な光熱費の節約効果も考慮に入れましょう。補助金制度なども活用し、賢く導入を進めることが大切です。
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毎月の電気代
オール電化住宅の月々の電気代は、従来の電気・ガス併用住宅と比べてどのように変化するのでしょうか。
基本料金の面では、オール電化住宅の方が割安になる傾向があります。これは、オール電化住宅は電気のみ契約するため、ガスの基本料金が不要になるからです。
ただし、使用量まで考慮すると調理・給湯・暖房など全てを電気でまかなうオール電化住宅は、電気の使用量が多くなり、電気代そのものはガス併用住宅より高くなる傾向があります。
ガス料金を含めた全体の光熱費で比較する場合は、生活スタイルや使用方法によって最適な選択が異なります。
より詳しい比較やポイントは、以下の記事で解説しておりますので、ぜひチェックしてみてください。
オール電化の光熱費とガス代を比較!電気・都市ガス・プロパンガスのどれが安いか解説
オール電化で電気料金を抑えるコツ
オール電化住宅では、ガスを使わないため、光熱費を削減できる可能性があります。より効果的に光熱費を抑えるコツとしては、以下が挙げられます。
- 電気料金が安い時間帯に電気を使う
- 太陽光発電を利用する
- 蓄電池を導入する
- 省エネ家電を選ぶ
- プランや電力会社を見直す
それぞれのコツについて、以下で解説します。
電気料金が安い時間帯の利用を増やす
オール電化住宅向けの電気料金プランは、夜間の電気料金が、日中よりも安く設定されていることが多いです。そのため、できるだけ日中の使用を避け、夜に電気を使うようにすると、節約につながります。
例えば、洗濯機や炊飯器などタイマー機能のある家電は、夜間に動作するよう設定するのがおすすめです。また、食洗機の使用や、エコキュートによる湯沸かしなども、夜間に行うと良いでしょう。
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太陽光発電を利用する
オール電化住宅に太陽光発電を組み合わせると、さらに電気代を抑えられるでしょう。太陽光発電は日中に発電するため、電気料金の高い日中の電気を自家発電分でまかなえます。さらに、蓄電池を導入すれば、日中に発電した電気を夜間に使うことも可能です。
太陽光発電の導入にも高い初期費用がかかりますが、オール電化と同様、長期的に見れば出費を抑えられる可能性があります。
蓄電池を導入する
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、昼間に発電した電気を蓄えて日没後に利用できます。
これにより電気料金が割安になる夜間を待たずに電気を利用できることに加え、購入する電気の大幅な電気代削減が期待できます。蓄電池の導入にも高い初期費用がかかりますが、停電時には非常用電源としても利用でき、防災面での安心にもつながるのが大きな魅力です。
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省エネ家電を選ぶ
オール電化住宅ではすべての設備を電気でまかなうため、省エネ性能の高い家電を選ぶことが電気代の節約に直結します。
購入時には「統一省エネラベル」が貼付された製品を目安に選ぶと良いでしょう。

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今使っている家電より消費電力が少ない機種に買い替えることで、長期的に電気料金の削減につながります。
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プランや電力会社を見直す
2016年に始まった電力自由化により、電力会社やプランを、消費者が自由に選べるようになりました。現在契約しているプランや電力会社を見直すことで、より電気料金を節約できるプランや電力会社に乗り換えられる可能性があります。

例えば、idemitsuでんきでは、オール電化住宅に特化した「オール電化プラン」を提供しています。idemitsuでんきの「オール電化プラン」は、地域の電力会社の代表的なオール電化住宅向けのプランと比較して、基本料金が安く設定されているため、お得です。夜間の電気料金も、地域の電力会社と同水準の安い価格に設定されています。
さらに、車に乗っている方なら年間最大2,400円もお得になる特典もあります。
まずは、電気料金シミュレーションを行い、idemitsuでんきに乗り換えた場合に月々の電気料金がどのくらいになるのか確認してみましょう。
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オール電化住宅は、家計管理のしやすさや安全性、省エネ効果など多くのメリットがありますが、省エネ家電の活用、太陽光発電の導入で、長期的に電気代を抑えることも可能です。
加えて、生活スタイルに合った料金プランを選ぶことも節約のポイントです。
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オール電化住宅にお住まいの方やこれからオール電化住宅を検討している方は、ぜひidemitsuでんきの「オール電化プラン」をご検討ください。

