オール電化の光熱費とガス代を比較!電気・都市ガス・プロパンガスのどれが安いか解説

ご家庭のエネルギーの選択肢として「オール電化」と「電気・ガスの併用」の2つがあります。それぞれメリット・注意点があり、生活スタイルによって違いが生じます。光熱費を抑えるためには、電気料金とガス料金の仕組みを理解することが大切です。
本記事では、オール電化住宅とガス併用住宅の料金比較と、それぞれの特徴やおすすめのケースを解説します。どちらがご自身の生活に適しているか、ぜひ参考にしてください。
オール電化住宅とガス併用住宅の料金比較
オール電化住宅とガス併用住宅では、どちらがより経済的なのでしょうか。各光熱費を単体で比較すると、都市ガスがもっとも安いという結果になります。ただし、実際の光熱費は電気とガスの使用量によって変動します。
まずは東京地区の2024年10月のデータをもとに電気とガスの料金を1kWhあたりに換算して比較してみましょう。
エネルギー種類 | 基本料金/月 | 1kWhあたりのエネルギーコスト |
---|---|---|
電気(オール電化) ※東京電力 スマートライフ |
約1,870円 (60Aの場合) |
午前6時〜翌午前1時:35.76円 午前1時〜午前6時:27.86円 |
電気 ※東京電力 従量電灯B |
約1,870円 (60Aの場合) |
約29円 (最初の120kWhまで) |
都市ガス ※東京ガス株式会社 東京地区等 一般契約料金(B表) |
約1,056円 (20m3をこえ80m3まで) |
約10.39円 (20m3をこえ80m3まで) |
プロパンガス ※東京都の価格 |
約1,897円 | 約25.27円 |
出典:
スマートライフ(オール電化)|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社
従量電灯B・C|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社
2024年10月 東京ガス株式会社 東京地区等 一般契約料金(B表)より130円/m3
2024年10月一般小売価格 LP(プロパン)ガス 確報より705円/m3
<ガス料金の算出方法について>
1kWh=860kcal 都市ガス:1m³あたりの発熱量は10755kcal/m³(1kWh=約0.080m3) LPガス:1m³あたりの発熱量は24,000kcal/m³(1kWh=約0.036m3) 1kWhのコスト(円)=必要量(m³)×ガス価格(円/m³)で算出 |
ここでは、オール電化住宅とガス併用住宅の基本料金と、1kWhあたりのエネルギーコストについて詳しく解説します。
オール電化住宅とガス併用住宅の基本料金を比較
オール電化住宅の場合、基本料金は電気代のみ発生します。例えば、東京電力エナジーパートナーのスマートライフSにて60A契約している場合、基本料金は約1,870円です。
一方、ガス併用では、電気とガスそれぞれの基本料金が発生します。上表の場合、「電気代+都市ガス」の場合は約2,926円、「電気代+プロパンガス」では約3,767円となり、オール電化よりも高くなる傾向があります。
基本料金だけを見ると、オール電化住宅の方が割安であることがわかります。
オール電化住宅とガス併用住宅の1kWhあたりの料金を比較
次に、1kWhあたりのエネルギーコストを比較してみましょう。上表からわかるように、1kWhあたりのエネルギーコストがもっとも低いのは都市ガスです。一方、オール電化住宅向けの電力プランは夜間の料金が安く、日中の料金は比較的高めに設定されています。
そのため、夜間帯の使用が多い世帯であれば、オール電化プランの利用によって基本料金も含めておトクになる可能性があるでしょう。
最終的には、生活スタイルによって、オール電化が適しているかが変わってくることになります。
オール電化住宅とガス併用住宅の特徴を比較
基本料金や1kWhあたりの料金以外にも、オール電化住宅とガス併用住宅にはそれぞれ特徴があります。安全性や災害時の対応、それぞれに対応した機器など、料金以外の観点でも比較する必要があります。
オール電化住宅とガス併用住宅、それぞれのメリット・注意点を理解し、自分の生活スタイルに合った選択肢を見つけましょう。
オール電化の特徴
オール電化住宅の最大の特徴は、光熱費が電気代に一本化され、基本料金を抑えられる点です。ガスの基本料金が不要になるため、その分の光熱費が削減できます。また、光熱費の管理がシンプルになることもメリットです。
また、火を使わない調理や暖房が可能なため、安全性が高く、小さなお子さまや高齢者のいる家庭でも安心して生活できます。他にも、IHクッキングヒーターは掃除がしやすく、キッチンを清潔に保ちやすい点も魅力です。
さらに、オール電化住宅は災害時にも火災になるリスクが低く、その他ライフラインと比べて電気設備の復旧が比較的早いこともメリットです。ただし、停電時には電化製品が利用できなくなるため、カセットコンロなどの備えをしておくことが大切です。
このように、オール電化住宅は光熱費の節約や火災リスク低減の面でメリットがあります。
ガス併用住宅の特徴
ガス併用住宅のメリットは、様々な形状の調理器具で料理ができるという点です。例えば、中華鍋は接地面が少ないことからIHで調理することが難しく、ガス調理が向いています。また一般的には、IH対応の鍋やフライパンと比較し、ガスだけに対応している製品の方が安価です。
加えて、ガスを利用した暖房や給湯設備は、停電が発生しても安定した熱供給が可能です。
一方で、電気とガスの両方の基本料金が発生するため、エネルギー消費量に関わらず発生する最低料金は割高になりやすいです。特に、プロパンガスは都市ガスよりも料金が高い傾向があり、地域によっては家計への負担が増える場合があります。
また、火を使うことで火災のリスクが伴う点にも注意が必要です。安全対策として、定期的な機器の点検や換気を心がけることが重要です。
ガス併用住宅は、調理器具の多様さや寒冷地での安定した暖房を重視する家庭に適した選択肢といえるでしょう。
オール電化住宅とガス併用住宅をケース別に比較
オール電化住宅とガス併用住宅は、それぞれに適したライフスタイルがあります。電気の使用量や使用時間、災害対策の対応、使用したいキッチン用具や機器など、自分の生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
ここからは、オール電化住宅とガス併用住宅のどちらがおすすめなのか、ケース別に見ていきましょう。
オール電化の方がいいケース
オール電化住宅が特におすすめなのは、昼間の電力の使用が少ない家庭です。例えば、日中は家族全員が学校や仕事で外出している場合、夜間の電気料金が安いオール電化住宅向けプランを利用することで、光熱費を効果的に削減できます。
また、災害への備えを重視する家庭にもオール電化がおすすめです。電気はガスや水道に比べて復旧が早い傾向があり、火を使用しないため火災のリスクの低減にもつながります。そのため、災害時の安全性を向上させたい家庭にとって安心できる選択肢といえるでしょう。
さらに、ソーラーパネルを設置している家庭では、太陽光発電の電力をなるべく活用することで、電気代の節約効果が期待できます。
このように、電力コストを抑えたい家庭や災害への備え、太陽光発電のある家庭にとって、オール電化は魅力的な選択肢となります。
ガス併用住宅の方がいいケース
ガス併用が適しているのは、昼間にコンロなどの熱源を多く使用する家庭です。在宅ワークや日中の家事が多い場合、深夜の電気料金が安価なオール電化住宅向けの電力プランは利用しづらく、高コストになってしまう可能性があります。
また、初期費用を抑えたい場合にもガス併用はおすすめです。オール電化に比べ、ガス機器の設置費用は安く済むことが多いため、予算を抑えつつ必要な機器を導入できます。
さらに、ガスを使った調理や暖房にこだわりがある家庭にも、ガス併用は適しています。直火を使った調理や、ガス暖房器具による安定した暖かさは、調理や暖房に特化した性能を求める方にとって理想的な選択肢でしょう。
オール電化住宅とガス併用住宅に関するよくある質問
ここからは、オール電化住宅とガス併用住宅の選択にお悩みの方に向けて、よく寄せられる質問にお答えします。
新築の場合、オール電化住宅とガス併用住宅のどちらがおすすめ?
オール電化住宅とガス併用住宅の料金比較の表より、基本料金はオール電化住宅の方が割安になる傾向があります。節電・省エネだけでなく、光熱費の基本料金も抑えて節約に取り組みたい方には、オール電化をおすすめします。また、オール電化は火災のリスクが低く、災害時の復旧が早い点も大きなメリットです。
一方で、ガス併用の場合は調理器具の自由度が増すこと、暖房の安定性などがメリットです。日中にエネルギー消費が多い家庭は、光熱費としてもガス併用が適するでしょう。
一人暮らしの場合はオール電化住宅とガス併用住宅のどっちがいい?
夜間の利用が多い場合には、オール電化住宅も選択肢の一つとして有効です。オール電化なら電気の使用量に応じた料金体系のため、夜間料金が安いプランなら一人暮らしの少ない使用量でも効率的に利用できます。
また、コンロの掃除が簡単なこともオール電化のメリットです。
ただし、寒冷地などでは快適性の面でガス併用が優れている場合もあります。ガス暖房やガス給湯器が利用できるため、安定した暖房効果で、冬季もより快適に過ごすことができます。
それぞれのメリット・デメリットを比較して物件を探しましょう。
オール電化をやめたい場合は?
オール電化住宅からガス併用住宅に切り替える際には、ガス配管工事や機器の設置に伴う初期費用が発生します。
また、オール電化住宅向けの電力プランに加入している場合、オール電化住宅であることが条件となっているケースがありますので、電力会社にプラン変更の必要有無を事前に確認しましょう。
オール電化住宅からガス併用住宅への変更を検討する際は、必要なコストや利便性を比較した上で慎重に検討しましょう。
オール電化住宅を選択するならidemitsuでんき
これまでのオール電化住宅とガス併用住宅の特徴から、光熱費の節約や安全性を重視する方にはオール電化住宅がおすすめといえます。特に昼間の電力消費が少なく、夜間を中心に電気を使う人にはオール電化住宅が適しています。
オール電化のメリットを最大限に活用するなら、idemitsuでんきがおすすめです。idemitsuでんきではオール電化住宅向けの「オール電化プラン」を提供しており、地域の電力会社と比較して基本料金を安価に設定、電力量料金は地域の電力会社と同様の単価で設定していますので、夜間の電力量料金が割安です。
ライフスタイルにあわせてオール電化を選択し、便利さとメリットを実感してみてはいかがでしょうか。