卒FIT後の買取はどうなる？余剰電力をムダなく活用する売電方法

基礎知識、情報

公開日：2025/05/21 （更新日：2025/05/21）

住宅の太陽光発電を固定価格で買い取る制度は、2009年に「余剰電力買取制度」としてスタートし、2012年よりFIT※制度（固定価格買取制度）に移行しました。FIT制度は、再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が一定期間、固定価格で買い取る仕組みです。

この制度の適用期間は、10kW未満の太陽光発電設備で発電した電力を販売する場合は10年間、10kW以上の設備の場合は20年間とされています。

FIT制度の前身となる太陽光の余剰買取制度は2009年11月に開始されたため、2019年11月以降、順次、買取期間が終了しています。固定価格での買取期間が終了した太陽光発電は「卒FIT」と呼ばれ、卒FITの余剰電力の活用方法について検討する必要があります。

※FIT制度は、「Feed-in Tariff（フィード・イン・タリフ）」の頭文字をとったもので、「固定価格買取制度」を表す。

本記事では、卒FIT後における買取価格の変化と、余剰電力を無駄なく活用するための売電方法について詳しく解説します。

卒FITとは？FIT制度の概要から卒FIT後の対応策まで解説

卒FIT後の電力の買取はどうなる？

FIT制度の適用終了後、通常、余剰電力の買取価格が大幅に減少します。この変化により、これまで安定した収入源となっていた売電収入に影響が出る可能性があります。

卒FITの太陽光を持つ家庭にとって、一番の懸念となるのは余剰電力の買取価格が大幅に下がってしまうことでしょう。FIT制度の魅力は、一定の価格で電気を買い取ってくれることですが、FIT適用が終了すると電気の売却価格が不安定となります。これまで、電気の売却が収入の一部となっていた家庭にとっては、収入減となってしまいます。

例えば、発電容量が10kW未満の家庭の場合、2015年度のFIT制度による買取単価は「1kWhあたり33円」です。一方、2025年にFIT適用の終了を迎えた卒FIT買取価格は、以下のように大幅に減少します。

東京電力：8.5円/kWh
関西電力：8.0円/kWh
九州電力：7.0円/kWh

※卒FIT買取価格は、地域や電力会社によって異なります。

そのため、卒FITを迎える家庭は、電力売却によって得られる収入について、事前にしっかりと検討しておくことが重要です。

卒FIT後の買取価格をなるべく減らさない方法

卒FIT後も電気売却による収入をできるだけ減らさないためには、どの電力会社を選ぶかが重要です。もちろん、卒FIT後も現在の電力会社を利用し続けることは可能ですが、買取価格が高い電力会社を選ぶことで、よりおトクに売電することができます。

例えば、idemitsuでんきでは、電気料金プランとセットで契約することで、電気の買取価格が「1kWhあたり2円」高くなるというメリットがあります。地域によって買取価格が異なりますが、セットプランに切り替えることで、地域の電力会社より3割以上収入が増えるケースも珍しくありません。

地域	でんきセット+買取	買取のみ
北海道・東北・東京	11.5/kWh	9.5円/kWh
中部・北陸・関西・中国・四国	10.5/kWh	8.5/kWh
九州	9.5/kWh	7.5/kWh

電力会社の電気料金プランを見直すことは家計の節約において重要なポイントです。

idemitsuでんきなら、余剰電力を比較的高値での売電を続けつつ、電気料金の節約にもつながる可能性があります。簡単なシミュレーションで電気料金を比較できるため、買取プランと組み合わせてさらにおトクに節約できる方法を見つけましょう。

idemitsuでんき – 電気契約とセットで買取価格がアップ！

いくらおトクになる？料金シミュレーション

卒FITで買取以外の選択肢はある？

卒FIT後は、売電に頼らず自家消費を増やすことで電気代を節約する選択肢もあります。

たとえば、太陽光発電が行われている日中に洗濯機や食洗機などの家電を使えば、電力会社からの購入電力を抑えられ、電気代の節約につながります。電気自動車を所有している家庭では、昼間の発電時間帯に充電を行うのが効果的です。

また、蓄電池を導入すれば、日中に使いきれなかった電力を貯めて、夜間や天候不良時に使用することができます。ただし、蓄電池の導入には注意点もあり、メーカーによって異なりますが、費用は一般的に100万～200万円程度かかります。さらに、蓄電池は屋外設置が基本のため、十分なスペースの確保が必要です。

そもそも、FIT制度による固定買取価格は、年々減少傾向にあります。