オール電化住宅の契約アンペアの目安は?迷った時の選び方を紹介
オール電化住宅では、IHクッキングヒーターや電気温水器(エコキュート)を使用することから、一般的な家庭と比べて一度に使う電力が多くなる傾向があります。契約しているアンペアを超えてしまうと、ブレーカーが落ちて停電することも考えられます。
快適なオール電化ライフを送るためには、家族の人数やライフスタイルに応じて、余裕のある契約容量を選ぶことが大切です。
この記事では、オール電化住宅に適した契約アンペアの目安や選び方をわかりやすく解説します。
オール電化住宅の契約アンペアの目安
オール電化住宅では、調理や給湯などをすべて電気でまかなうため、一般的な住宅よりも多めの契約アンペアが必要です。目安としては、60A(アンペア)以上を推奨されることが多いです。
また、世帯人数も契約アンペアを決める上で重要な要素となります。以下の表を参考に、家族構成に応じた目安を確認してみましょう。
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世帯人数 |
契約アンペアの目安 |
|---|---|
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1人 |
30~40A |
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2人 |
40~50A |
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3人 |
50~80A |
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4人 |
60A(6kVA)~10kVA |
1〜2人の世帯であれば、家電や設備を同時に使用するタイミングが比較的少ないため、60A以下の契約でも問題なく生活できるケースが多いです。
しかし、3人以上の家族が暮らす場合は、朝の準備時間や夕方から夜にかけて複数の家電を同時に使う場面が増えるため、60A以上での契約をおすすめします。
なお、60A(6kVA)以上の契約アンペアが必要になる場合、kVA(キロボルトアンペア)という契約容量で表示されます。
1kVAはおよそ10Aに相当するため、利用者側での実質的な違いはないですが、契約時に表示方法が異なる点は押さえておくと良いでしょう。
オール電化住宅の契約アンペアの選び方
オール電化住宅の契約アンペアを選ぶ際は、単に世帯人数だけで決めるのではなく、家族のライフスタイルや家電の使用状況を踏まえて契約容量を設定することが重要です。オール電化住宅で最適な契約アンペアを選ぶ際は、以下の点に着目しましょう。
- 家族人数で選ぶ
- 生活スタイルから考える
- よく使う家電・消費電力から計算する
ここでは、契約アンペアを選ぶための3つのポイントについて解説していきます。
家族人数で選ぶ
同居する家族が多いほど、同時に使用する家電の数も増える傾向があります。家族全員が安心して快適に家電を使えるよう、世帯の人数に見合った契約アンペアを選ぶことが大切です。
特に、各部屋でエアコンをつけたり、同じ時間帯にキッチン・洗濯室・浴室などで複数の家電を使用したりする場合は、契約アンペアの目安を把握しておく必要があります。
以下の表を参考に、アンペア数を決めることをおすすめします。
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契約アンペア数 |
家電の使い方 |
|---|---|
|
30~40A |
IHクッキングヒーターとエアコンを同時に使用 |
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40~60A |
複数のエアコンと電子レンジ、洗濯機を同時に使用 |
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60(6kVA)~10kVA |
複数のエアコンや電子レンジ、エコキュートの同時使用 |
また、家族が多い場合、朝の準備時間や夕方から夜にかけて、エアコンを複数台稼働させながら調理や洗濯を行うなど、家族が集中して家電を使用する時間帯が生じます。
忙しい朝や夕方にブレーカーが落ちてストレスを感じる生活にならないよう、オール電化住宅では目安よりプラス10A(1kVA)ほど余裕を持たせた契約を選ぶことが望ましいでしょう。
生活スタイルから考える
家族であっても、生活スタイルや家電の使用傾向はそれぞれ異なります。そのため、契約アンペアを決める際には、同居する全員の生活パターンを踏まえて選ぶことが大切です。
例えば、2人暮らしでもエアコンやIHを頻繁に使用する場合、30〜40Aで契約するとブレーカーが落ちやすくなることがあります。
また、共働き世帯で日中に家電をほとんど使わない場合でも、朝や夜に集中して使用する家庭では、使用量がもっとも多い時間帯に合わせて契約アンペアを選ぶ必要があります。
生活スタイルによって注意したいケースの一例は、以下の通りです。
|
生活スタイル |
ブレーカーが落ちやすいタイミング |
|---|---|
|
エアコンやパソコンなど日中の使用率が高い |
電気使用量が多い時間にエコキュートの稼働が重なったとき |
|
ペットのために24時間エアコンを稼働 |
エアコンの稼働に加えて複数の家電を使用するとき |
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朝はIHやドライヤー、電子レンジや電気ケトルなど同時に使う |
家族の活動時間が集中するとき |
契約アンペアを決める際は、家族人数だけでなく、こうした日々の暮らし方も考慮しましょう。
よく使う家電・消費電力から計算する
契約アンペアを決める際には、実際に使用する家電の消費電力を把握することもポイントです。
家電ごとに消費電力は異なり、一般的にはW(ワット)で表示されています。家庭用100Vの電力でアンペア数を計算する場合は、「100W=約1A」と覚えておくと便利です。
各家電のアンペア数の目安については、以下の画像を参考にしてください。

例えば、IHクッキングヒーター(強)、電気ケトル、電子レンジ、ドライヤーを同時に使用する場合、それぞれの消費電力を合計すると60アンペアでも不足する可能性があります。
家族それぞれのライフスタイルによって、家電を使用するタイミングが重なる場合と重ならない場合があるため、普段から家電の使い方を意識しておくと契約アンペアの計算がしやすくなります。
オール電化住宅の契約アンペアに関するよくある質問
オール電化住宅の契約アンペアは、同時に使える電気の量を決める重要な要素であり、適切に設定されていないとブレーカーが頻繁に落ちてしまう原因となります。契約アンペアを決める際、次のような疑問を持つ方も多いでしょう。
- そもそも契約アンペア数とは?
- アンペア契約とkVA契約の違いは?
- アンペア数を下げれば節約になるの?
- アンペア数の契約はいつでも変更できるの?
- 現在のアンペア数を確認する方法は?
ここでは、契約アンペアに関するよくある質問にわかりやすくお答えします。
そもそも契約アンペア数とは?
アンペア(A)とは、電気が一度に流れる量、つまり電流の大きさを示す単位です。契約アンペアとは、家庭で同時に使用できる電気量を指します。アンペア数が大きいほど、同時に使える家電の数が増え、逆にアンペア数が小さければ、同時に使用できる家電の数が限られることになります。
なお、家庭に設置されている分電盤(ブレーカー)は契約アンペアに対応しており、契約アンペアを超える電流を使おうとすると自動的にブレーカーが落ち、電流が遮断される仕組みです。
頻繁にブレーカーが落ちる場合の多くは、機器の故障ではなく、契約アンペア数が現在のライフスタイルに合っていない可能性が高く、契約アンペアまたは契約容量(kVA)の見直しが必要になることがあります。
アンペア契約とkVA契約の違いは?
アンペア契約とkVA契約は、どちらも「同時に使用できる電気の量」を示すものといえますが、単位や考え方に違いがあります。アンペア(A)は電流の単位で、一般的には100Vを基準に「消費電力=電圧×電流」で計算されます。
一方、ボルトアンペア(VA)は「皮相電力」と呼ばれるもので、電圧と電流を掛け合わせた値です。これは実際に消費されるワット(WやkW)と似ていますが、電気を送る過程で発生するロスを含まないため、家電に表記されている消費電力と完全に一致するわけではありません。
1kVAは1,000VAを意味し、一般家庭の100Vで計算すると「1,000VA÷100V=10A」となります。つまり、1kVAは約10Aに相当します。
多くの電力会社では、60A(6kVA)以上の契約になるとkVA表記に切り替わりますが、利用者側にとっては「同時に使える電気の量」を示している点で大きな違いはありません。
アンペア数を下げれば節約になるの?
大手電力会社では、契約アンペア数に応じて基本料金が設定されています。アンペア数が高くなるほど基本料金も高くなるため、基本料金を下げたい場合は、契約アンペア数を下げるのも一つの選択肢です。
ただし、電気代には基本料金だけではなく、電力量料金や再生可能エネルギー発電促進賦課金などで構成されています。これらは電気使用量に対してかかるため、その増減によって電気代全体に大きく影響します。
つまり、基本料金にかかる契約アンペア数を下げたとしても、電気の使用量が変わらなければ、電気料金の節約効果は限定的です。むしろ、電気の使用量が多いオール電化住宅で安易に契約アンペア数を下げてしまうと、ブレーカーが頻繁に落ちて停電しやすくなる可能性があります。
電気代を抑えるためには、契約アンペアを無理に下げるよりも、日々の使用量を見直すことが効果的です。
アンペア数の契約はいつでも変更できるの?
契約しているアンペア数は、必要に応じて変更することが可能です。電力会社へ連絡する方法や、マイページから手続きする方法があります。
スマートメーターが設置されている場合は、電力会社が遠隔操作で設定の切り替えを行うだけで済み、工事は不要です。そのため、比較的短期間で対応が完了します。
一方、アナログ式の電力メーターの場合は、アンペアブレーカーを取り換える工事が必要となり、作業員が訪問して交換作業を行うことから日程調整も必要です。
なお、多くの電力会社では、一度アンペア数を変更すると1年間は再変更できないルールがあるため、安易に変更するのではなく、家族の人数やライフスタイルを考慮した上で、慎重に検討することが大切です。
現在のアンペア数を確認する方法は?
契約アンペア数を調べる方法は、主に3つあります。
- 電気料金明細や検針票で確認する
- 電力会社のウェブサービスで確認する
- 分電盤のアンペアブレーカーで確認する
電気料金明細や検針票には料金の根拠となる契約内容が記載されているため、毎月届く書類をチェックすることで簡単に確認できます。また、最近では多くの電力会社がオンラインサービスを提供しており、マイページにログインして契約情報をチェックすることも可能です。
さらに、自宅の分電盤に設置されているアンペアブレーカーを直接確認する方法もあります。分電盤で確認する場合は、アンペアブレーカーの色を見ると分かりやすいです。色によって契約アンペア数が区別されているため、視覚的に判断できます。
詳しい確認方法については、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
契約アンペア数を変えると電気代はどうなる?契約を見直すメリットや注意点とは
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オール電化住宅での契約アンペア数は、家族人数やライフスタイルに応じて60A以上の契約が推奨されています。家族の人数やライフスタイルに合わせて契約アンペアを適切に見直すことが重要です。
ただし、電気の使用量が多いオール電化住宅で契約アンペア数を下げてしまうと、頻繁にブレーカーが落ちる可能性があります。そのため、もし「電気代が高い」と感じているのであれば、契約アンペアの見直しだけでなく、電力会社そのものを見直してみることをおすすめします。
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