オール電化とは?メリットや毎月の電気代の目安を解説
近年、光熱費の節約や安全性、省エネの観点から、オール電化住宅が注目を集めています。
しかし、オール電化に関心を持ってはいるものの、詳しいメリットや注意点については、よく知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オール電化のメリットと注意点、導入費用、電気料金を抑えるコツまで詳しく解説します。オール電化に興味がある方や、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
| 【この記事で分かること】 ・オール電化の仕組みと主な設備 ・オール電化のメリットや注意点と、導入費用や毎月の電気代の目安 ・オール電化に向いている家庭の特徴と、電気料金を抑えるコツ |
オール電化とは?

オール電化とは、キッチンや給湯、冷暖房など家庭で必要なエネルギーをすべて電気でまかなう仕組みのことです。
調理や給湯、暖房といった生活の基盤となる熱源にガスを使用せず、電気だけに集約している点が特徴です。熱源を1つにまとめることで、火を扱わない安全性とエネルギー管理の効率化を同時に実現できます。
オール電化住宅では、電気を効率よく使って熱を生み出す専用設備を組み合わせて導入します。代表的な設備は次のとおりです。
| 用途 | 設備 | 特徴 |
|---|---|---|
| 給湯 | エコキュート | 大気中の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ給湯機 |
| 調理 | IHクッキングヒーター | 炎を使わず、フラットな天板で鍋を加熱する |
| 暖房 | 蓄熱式暖房機/ヒートポンプ式床暖房 | 火を使わず電気を効率的に活用し、お部屋をじんわりと暖める |
これらの設備を連動させながら使うことで、家庭内の熱エネルギーの消費を無駄なく抑えられます。
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オール電化が広まった背景と現在の普及状況
オール電化が広まった背景には、2001年のエコキュート発売をはじめとするヒートポンプ技術の実用化と、IHクッキングヒーターの性能向上があります。2016年の電力自由化によって料金プランの選択肢が広がったことも、市場が拡大した一因です。
近年は住宅の省エネ基準強化やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の推進を背景に、太陽光発電と組み合わせる形での採用も増えています。
環境省「家庭部門のCO₂排出実態統計調査」では、オール電化住宅の割合が次のように推移しています。

出典:環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」(全国)2018年度〜2023年度
※「家庭で使用しているエネルギー種別」のうち「電気のみを使用【%】」について、「建て方別」の「戸建」の値を参照
割合は年々増加しており、選択肢の1つとして定着しつつあることがうかがえます。
オール電化のメリット
オール電化の主なメリットは、以下の6点です。
- 光熱費を抑えられる
- 光熱費を電気代に一本化できる
- 火災などの事故のリスクを減らせる
- 室内の空気を汚しにくい
- 災害に備えることができる
- キッチンの掃除がしやすい
それぞれ、詳しく解説していきます。
光熱費を抑えられる
オール電化の最大のメリットの1つが、光熱費を削減できる点です。
電気とガスを併用している場合、それぞれに基本料金がかかります。しかし、オール電化にすれば基本料金は電気の分だけです。そのため、ガスの基本料金の分、光熱費を抑えることができます。
加えて現在では、夜間の電気料金が安くなるなど、オール電化住宅向けのプランを提供する電力会社が増えてきています。自分のライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、より光熱費を抑えることができるでしょう。
光熱費を電気代に一本化できる
熱源を電気だけにしぼり込むメリットの1つが、光熱費の管理にかかる手間の軽減です。ガス併用住宅では電力会社とガス会社の双方から毎月請求が届くため、固定費が分散し、支出の全体像をつかみにくくなります。
オール電化に移行すればガス契約を解約でき、光熱費の窓口は電力会社1社にまとまります。毎月の基本料金も1社分で済み、家計管理そのものがシンプルになる点も、オール電化住宅の利点です。
光熱費の推移を1か所で確認できるため、長期的な固定費の見直しや家計の予算づくりにも役立ちます。
火災などの事故のリスクを減らせる
安全性の高さも、オール電化の大きなメリットです。オール電化住宅で使用されるIHクッキングヒーターやエコキュートなどの機器は、火を使わずに熱を生み出すため、火の不始末による火災や、ガス漏れによる一酸化炭素中毒といった事故のリスクを減らすことができます。
小さな子どもや高齢者がいる家庭でも安心して利用できるでしょう。
室内の空気を汚しにくい
ガスファンヒーターやガスコンロなどの燃焼式の器具は、使用中に二酸化炭素や水蒸気を放出し、室内の空気を汚す原因になります。オール電化で使うIHクッキングヒーターやエアコン、電気暖房は燃料を燃やさないため、有害物質や余分な湿気が室内に出ません。
カビやダニの温床になる結露を抑えられる効果も期待できます。寒い時期に何度も窓を開けて換気する必要がなく、室温を一定に保ちやすくなります。
災害に備えることができる
オール電化住宅は、災害時、特に大雨や台風などの災害で断水が発生した際の備えとしても有効です。
オール電化住宅には、基本的に給湯器としてエコキュートが備わっており、そのタンク内に水を貯めておくことができます。エコキュートの容量は一般的に370Lであり、貯めておいた水は生活用水として一時的に利用することも可能なので、断水時にも安心です。
また、災害時において、電気は水道やガスよりも早期に復旧する傾向にあります。実際に、東日本大震災や阪神・淡路大震災でも、電気が最も早く復旧しました。

この点を踏まえても、生活設備をすべて電気でまかなうオール電化住宅は、ガス併用住宅よりも災害に強いと言えるでしょう。
キッチンの掃除がしやすい
オール電化住宅では、調理にIHクッキングヒーターを使用します。IHは、ガスコンロと比べて凹凸が少ないため、掃除が非常に簡単です。汚れても布巾で拭き取るだけで手軽にお手入れができるため、キッチンを常にきれいに保つことができます。
また、IHは火を使わないため、ガスコンロと違って油煙やにおいが広がりにくく、換気の手間や壁の汚れも少なくなります。掃除が楽になり、キッチンや室内を快適で清潔な環境に保てるのがメリットです。
オール電化の注意点
ここまでオール電化のメリットについて紹介してきましたが、もちろん注意点もあります。主な注意点は、以下の5点です。
- 初期費用が高い
- 停電時に機能が停止する
- 調理器具が制限される
- 昼間の電気代が高くなる場合がある
- 設置スペースや運転音への配慮が必要
メリットと注意点の両方を把握したうえで、導入を検討してください。
初期費用が高い
オール電化住宅の注意点の1つが、高い初期費用です。エコキュートは30万円以上、IHクッキングヒーターは10万円以上の費用が導入時にかかります。これらはガス給湯器やガスコンロよりも高額です。
しかし、初期費用は高いものの、光熱費の節約や災害への備えといった長期的なメリットを考慮すると、将来性のある投資とも言えるでしょう。
オール電化導入を検討する際には、どのくらい電気代を節約できるのか、シミュレーションしてみるのがおすすめです。
また、オール電化設備に関する補助金制度を設けている自治体もあるので、確認しておくとよいでしょう。例えば、資源エネルギー庁の「給湯省エネ2026事業」では、対象のエコキュートを設置することで最大10万円/台の補助を受けられます。
停電時に機能が停止する
オール電化住宅では、すべての生活設備を電気に頼っているため、災害などで停電が発生すると、すべての機能が停止してしまいます。
先ほども触れたように、電気は水道やガスといった他のライフラインと比べて復旧が早い傾向にありますが、それでも復旧するまでの対策は必要です。
エコキュートがあれば一時的な生活用水は確保できますが、IHクッキングヒーターなど調理設備は使えなくなります。そのため、カセットコンロやガスボンベなど、非常時用の調理器具を備えておくことが重要です。
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調理器具が制限される
オール電化住宅で使用するIHクッキングヒーターでは、IHに対応していない調理器具を使えません。ガスコンロから切り替える場合、調理器具もIH対応のものに買い替える必要があります。火を使用しないため、直火調理ができなくなる点にも留意しておきましょう。
調理器具や調理方法の制限があるものの、IHならではの魅力もあります。例えば、IHはガスコンロよりも熱効率が高く、無駄がなく大火力を得られます。
また、ガスコンロは周囲の温度を上げてしまいますが、IHは調理器具へ直接熱が通ります。そのため、IHの方が調理中の暑さが抑制され、夏場でも比較的快適に料理を楽しめるでしょう。
昼間の電気代が高くなる場合がある
オール電化向けの電気料金プランは、夜間の料金を安く、日中の料金を高く設定している場合が多いです。そのため、昼間に電気を多く使う家庭では、想定より電気代が高くなってしまう可能性があります。
在宅ワークで日中も在宅する方や、昼間に洗濯・掃除を行う習慣がある家庭では注意が必要で、生活スタイルに合ったプラン選びが大切です。
設置スペースや運転音への配慮が必要
エコキュートのような大型機器を導入する際は、設置スペースの確保と周辺環境への配慮も重要です。
エコキュートは貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットの両方を屋外に置くため、相応の設置面積が必要になります。敷地が狭い住宅では、搬入や設置スペースの確保が難しい場合があります。
設置場所が隣家の寝室に近いと、ヒートポンプの夜間運転による低周波音が騒音トラブルにつながる可能性もあります。設置場所を決めるときは、隣家との距離や防音対策まで含めて検討すると安心です。
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オール電化にかかる費用
オール電化を検討するときは、導入時にかかる初期費用と、毎月支払うランニングコストの両面から試算しておく必要があります。どちらの金額も設備の規模や家族構成、暮らし方によって変わってくるため、まずは平均的な相場を把握したうえで、長い目で見た費用対効果を確かめていきましょう。
導入にかかる費用
初期費用は、先ほども触れたように高額な傾向にあります。最低限必要なエコキュートとIHクッキングヒーターを取り付けるだけでも、工事費・電気工事・撤去費を含む総額は60〜110万円程度がかかります。
初期費用は機種やグレードによって大きく異なります。ただし、費用を抑えてグレードの低い機種を選択してしまうと、期待していたほど光熱費を節約できない可能性もあるため、注意が必要です。
オール電化の導入を検討する際には、初期費用だけではなく、機種の機能や長期的な光熱費の節約効果も考慮に入れましょう。補助金制度なども活用し、賢く導入を進めることが大切です。
毎月の電気代
オール電化住宅の1カ月あたりの電気代の目安は以下のとおりです。
| 世帯人数 | 電気使用量の目安 | 月額の目安 |
|---|---|---|
| 1人 | 250kWh | 約9,100円 |
| 2人 | 350kWh | 約12,700円 |
| 3人 | 400kWh | 約14,300円 |
| 4人 | 450kWh | 約16,300円 |
| 5人 | 500kWh | 約18,200円 |
※電気使用量は昼間60%・夜間40%の使用割合で試算しています。
※契約容量は、1人世帯30A、2〜3人世帯40A、4人世帯50A、5人世帯60Aで試算しています。
※電気料金は東京電力エナジーパートナーのスマートライフS(オール電化)を参照しています。
※燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金は含みません。
世帯人数が増えるほど電気代も高くなりますが、実際の金額は給湯や冷暖房の使い方、季節、住宅性能などによって変動します。
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オール電化に向いている家庭・向いていない家庭の特徴
オール電化で得られるメリットは、世帯人数や日中の在宅時間といった暮らし方によって大きく変わります。自分たちの生活パターンがオール電化の特性と合っているかを事前に確かめておくと、導入後の後悔を防ぎ満足度も高まります。
ここからは、向いている家庭と向いていない家庭の特徴を順番に見ていきましょう。
オール電化に向いている家庭の特徴
オール電化に向いている家庭には、次のような特徴があります。
- 日中は家を空けることが多く、夜間に家電をよく使う家庭
- プロパンガス(LPガス)を使っていてガス代の負担が大きい家庭
- 高齢の家族や小さな子どもがいて火災のリスクを減らしたい家庭
夜間電力を中心に使える生活スタイルなら、時間帯別の料金プランの恩恵を最大限に受けられます。ガス代が高くなりやすいプロパンガスエリアからの切り替えでも、大きな節約効果を実感しやすい環境です。
オール電化に向いていない家庭の特徴
オール電化に向いていない家庭には、次のような特徴があります。
- 在宅時間が長く、日中に電気を多く使う家庭
- 初期費用をできる限り低く抑えたい家庭
- 直火を使った調理や調理器具にこだわりがある家庭
- マンションや狭小住宅で設備の設置スペースを確保できない家庭
単価の高い昼間に電力を多く使う暮らし方では、光熱費の削減効果が出にくくなります。手持ちの調理器具をそのまま使い続けたい場合や、初期投資を短期間で回収したい世帯にも向いていません。
オール電化で電気料金を抑えるコツ
オール電化住宅では、ガスを使わないため、光熱費を削減できる可能性があります。より効果的に光熱費を抑えるコツとしては、以下が挙げられます。
- 電気料金が安い時間帯の利用を増やす
- 住宅の断熱効率を高める
- 太陽光発電を利用する
- 蓄電池を導入する
- 省エネ家電を選ぶ
- 電力プランや電力会社を見直す
それぞれのコツについて、以下で解説します。
電気料金が安い時間帯の利用を増やす
オール電化住宅向けの電気料金プランは、夜間の電気料金が、日中よりも安く設定されていることが多いです。そのため、できるだけ日中の使用を避け、夜に電気を使うようにすると、節約につながります。
例えば、洗濯機や炊飯器などタイマー機能のある家電は、夜間に動作するよう設定するのがおすすめです。また、食洗機の使用や、エコキュートによる湯沸かしなども、夜間に行うとよいでしょう。
住宅の断熱効率を高める
住宅そのものの断熱性を高める工夫は、オール電化住宅の空調にかかる消費電力を減らします。
冷暖房の熱が屋外へ逃げないよう、内窓の設置や断熱サッシへの改修、窓ガラスへの断熱シートの貼り付けなどが、取り入れやすく効果的な方法です。室内の温度が一定に保たれやすくなるとエアコンにかかる負荷も軽くなり、少ない電力で快適な室温を維持できるようになります。
新築時やリフォーム時に高断熱仕様を選んでおけば、長期的な電気代の削減と一年を通した住み心地の向上を同時に手に入れられます。
太陽光発電を利用する
オール電化住宅に太陽光発電を組み合わせると、さらに電気代を抑えられるでしょう。太陽光発電は日中に発電するため、電気料金の高い日中の電気を自家発電分でまかなうことができ、電力会社から購入する日中の電力を減らせます。
太陽光発電の導入にも高い初期費用がかかりますが、オール電化と同様、長期的に見れば出費を抑えられる可能性があります。
蓄電池を導入する
家庭用蓄電池を導入すると、電気を自宅でまかなえる割合をさらに高められます。蓄電池だけでも、単価の安い夜間電力を充電しておき、単価の高い昼間の時間帯に使うことで電気代を抑えられる場合があります。
また、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、昼間に発電した余剰電力を蓄えて夜間や悪天候の日に使えるようになります。電力会社からの購入電力量そのものを減らせるため、電気料金の上昇による家計への影響を抑えられます。
蓄電池の導入は一定の初期費用がかかりますが、停電時には非常用電源としても利用できるため、防災面での安心にもつながることが大きな魅力です。
省エネ家電を選ぶ
オール電化住宅ではすべての設備を電気でまかなうため、省エネ性能の高い家電を選ぶことが電気代の節約に直結します。
購入時には「統一省エネラベル」が貼付された製品を目安に選ぶとよいでしょう。

出典:省エネルギーラベル・統一省エネラベル | 省エネ家電で温暖化防止
今使っている家電より消費電力が少ない機種に買い替えることで、長期的に電気料金の削減につながります。
プランや電力会社を見直す
2016年に始まった電力自由化により、電力会社やプランを、消費者が自由に選べるようになりました。現在契約しているプランや電力会社を見直すことで、より電気料金を節約できるプランや電力会社に乗り換えられる可能性があります。
例えば、idemitsuでんきでは、オール電化住宅に特化した「オール電化プラン」を提供しています。地域の電力会社のオール電化住宅向けのプランと比較して、基本料金が安く設定されているためおトクです。夜間の電気料金も、地域の電力会社と同水準の安い価格に設定されています。

さらに、車に乗っている方なら年間最大2,400円もお得になる特典もあります。
まずは、料金シミュレーションを行い、idemitsuでんきに乗り換えた場合に月々の電気料金がどのくらいになるのか確認してみましょう。
まとめ
オール電化は、給湯・調理・冷暖房といった家庭のエネルギーを電気に一本化する住まいの仕組みです。
ガスの基本料金が不要になり光熱費の管理がシンプルになるほか、火を使わない安全性や、断水時にエコキュートの貯湯を活用できる防災面の強みもあります。一方で、初期費用の高さや停電時のリスク、昼間の電気代が割高になりやすい点には注意が必要です。
在宅時間や調理スタイルを踏まえ、自宅の暮らし方に合うかどうかを判断したうえで導入を検討しましょう。
オール電化住宅のメリットを引き出すうえで欠かせないのが、夜間の電気料金が安い料金プランを選ぶことです。idemitsuでんきの「オール電化プラン」は深夜の電気料金がおトクな設計で、夜間に給湯や家事をまとめる暮らし方と相性のよい料金体系となっています。さらに、地域の電力会社のオール電化プランからの切り替えなら、基本料金がおトクになります。
まずは料金シミュレーションで、今の電気代がどれだけ下がるか確かめてみてください。

