軽EV(電気自動車)の定義や魅力・注意点を紹介

環境への配慮が高まる現代社会において、自動車業界も大きな変革の波に直面しています。その中で注目を集めているのが、軽EVです。コンパクトで使いやすい軽自動車の特性に、環境にやさしい電気自動車の利点を組み合わせた軽EVは、これからの自動車の形を示す先駆けとなっています。

この記事では、軽EVの定義や魅力、代表的な車種、そして注意点までを詳しく解説します。さらに、軽EVを所有する際の電気代を抑える方法についても触れていきます。

軽EVの定義とは?

軽EVとは、軽自動車規格の電気自動車のことを指します。そもそも電気自動車とは、ガソリンでエンジンを動かすのではなく、バッテリーに蓄えられた電気でモーターを動かす車のことです。ガソリン車が走行中に二酸化炭素を排出するのに対し、電気自動車は走行時に二酸化炭素を排出しないため、環境負荷を減らすと言われています。

一方、軽自動車とされるのは、以下の要件を満たす車両です。

  • 排気量660cc以下
  • 長さ3.4m以下
  • 幅1.48m以下
  • 高さ2.0m以下

電気自動車の場合、排気量という概念がないため、上記のうちサイズ規格を満たしているものであれば軽EVに該当します。

軽EVの魅力

軽EVは、環境への配慮だけでなく、様々な魅力を持っています。
軽EVの主なメリットは以下の3つです。

  • ランニングコストが安い
  • 運転がしやすい
  • 車両価格が電気自動車の普通車と比較して安い

ここでは、軽EVの魅力について詳しく見ていきます。

ランニングコストが安い

軽EVは、ガソリン駆動の軽自動車と比較して、燃料費や自動車税といったランニングコストが安くなりやすいです。特に燃料費に関して、軽EVの電気代は、ガソリン軽自動車のガソリン代の半分ほどと言われています。

ここでは、軽EV「ekクロス EV」とエンジン車「ekクロス」を例に電気代とガソリン代を計算、比較してみましょう。(年間1万km走行すると仮定)

ekクロスの燃費性能は21.5km/L(WLTCモード)です。年間1万km走行する場合、必要なガソリンは約465.1Lとなります。経済産業省資源エネルギー庁が公表した「給油所小売価格調査」によると、2024年9月17日時点のガソリンの全国平均は174.6円/Lでした。

1Lあたり175円で計算すると、

175円 × 465.1L = 約81,393円が年間のガソリン代としてかかることになります。

一方、ekクロス EVの電力消費率はWLCTモードで124Wh/kmです。年間1万km走行する場合に必要な電力は1,240,000Wh、kWhに換算すると1,240kWhとなります。電力料金の単価を、家電公取協により目安として定められている31円/kWh(令和4年7月22日改定)と仮定すると、

31円 × 1,240kWh = 38,440円が年間の電気代としてかかることになります。

つまり、年間1万km走行する場合、軽EVであるekクロス EVにかかる電気代の方が約42,953円(81,393円-38,440円)ガソリン代より安くなります。

加えて、軽EVはエコカー減税やグリーン化減税によって、自動車重量税や軽自動車税の負担が軽くなる傾向があります。これらの税制優遇措置も、ランニングコストを抑えられる要因の一つです。

運転がしやすい

軽EVは、ガソリン軽自動車と比較して運転がしやすいのが特徴です。ガソリン車の場合、発進するときにアクセルを踏んだ後、すぐには加速しにくい傾向があります。一方、軽EVは素早く電気信号で加速を制御するので、なめらかで力強い発進が魅力です。

この特性により、坂道や高速道路でもスムーズに加速でき、運転でストレスを感じることが少ないです。また、軽EVにはエンジンがないため、エンジンの音や振動がなく快適に走行できます。車内での会話が聞き取りやすかったり、早朝や深夜の運転でも周囲に気を遣わずに運転できたりするのも、軽EVならではの魅力と言えるでしょう。

車両価格が電気自動車の普通車と比較して安い

軽EVの車両価格は、同じ電気自動車の普通車と比較して安いです。一般的に、電気自動車はガソリン車と比較して約100万~300万円ほど高い傾向にあります。しかし、軽EVであれば、電気自動車の普通車に比べて150万円ほど安いのも魅力的です。

日産の電気自動車を例に、車両の小売価格を比較できる表を作成しました。

車種

種別

メーカー希望小売価格(消費税込)

日産アリア

普通車

660万~740万円

日産リーフ

普通車

410万~450万円

日産サクラ

軽自動車

260万~310万円

また、電気自動車であれば、軽自動車・普通車にかかわらず、国や自治体から補助金をもらえる可能性があります。例えば日産サクラでは、国から55万円の補助金がもらえてお得です。更に、東京都千代田区にお住いの方であれば、20万円の補助も受けられます。(2024年11月時点)

ただし、自治体の補助金制度の内容は、お住いの自治体によって異なりますので、詳細はお住いの自治体のホームページや窓口で確認することをおすすめします。これらの補助金を活用することで、さらに車両価格を抑えることができるでしょう。

軽EVの注意点

軽EVには多くの魅力がある一方で、いくつかの注意点も存在します。
軽EVの主な注意点は、以下の3つです。

  • 長距離運転には向かない
  • 充電時間が長い
  • 車種が少ない

ここでは、それぞれの注意点について詳しく解説します。

長距離運転には向かない

軽EVは1回の充電で走行できる距離が短いため、長距離運転にはあまり向いていません。例えば、三菱のekクロス(ガソリン車)では、燃費性能が21.5km/L(WLTCモード)、燃料タンク容量が約27Lになります。そのため、1回のガソリン満タン給油で約580km(21.5km/L×27L)の走行が可能です。

一方、ekクロス EVではフル充電の航続距離は180kmとなっています。このため、軽EVで長距離運転をする際は、道中に充電スポットで充電をする必要があります。長距離ドライブを頻繁に行う方にとっては、この点が不便に感じられるかもしれません。

充電時間が長い

ガソリン給油と比較して、充電時間が長いのも軽EVを利用する際のデメリットになります。例えば日産サクラでは、バッテリー残量警告灯が点灯、または点滅した時点から急速充電器を利用して充電量80%まで充電するのにかかる時間は約40分です。

ガソリンは数分で給油が済むのに対し、軽EVは充電に時間がかかるため、待ち時間が発生します。また、充電スポットの数もガソリンスタンドほど多くないため、場所によってはなかなか見つけられない可能性があります。さらに、充電スポットを見つけても、別の利用者がいた場合は、すぐに利用できないケースがあることも注意しましょう。

車種が少ない

軽EVは、ガソリン軽自動車と比較して車種が少ないのが現状です。そのため、自分の気に入ったデザインやカラーのものが見つからない可能性があります。

ただ、日本政府は「2035年までに、乗用車新車販売で電動車*100%」という目標を掲げています。そのため、EVの車種が今後増えることも十分に考えられるでしょう。

*電動車=EV、FCV、PHEV、HEV

軽EVの電気代をお得にするならidemitsuでんき

軽EVの魅力と注意点を踏まえた上で、さらに経済性を高めるための方法があります。それが、idemitsuでんきのEVコースの活用です。

idemitsuでんきのEVコースでは、契約名義人またはそのご家族の名義で電気自動車を所有し、自宅などに充電器が設置されていれば、毎月の電気料金から200円引きされるというお得な特典があります。

この割引は、軽EVのランニングコストをさらに抑える効果があります。先ほど計算した年間の電気代38,440円から、さらに年間2,400円(200円×12ヶ月)の節約が可能となります。

また、idemitsuでんきでは当社指定の時間にEV充電していただくことで、その電気使用量に合わせてポイントをプレゼントするお得な「EV充電タイム」もご用意しております。

環境に配慮しつつ、経済的なメリットも享受できる軽EV。その魅力をさらに引き出すためにも、idemitsuでんきのEVコースの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

idemitsuでんきのEVコースをチェックする

でんきコラム一覧はこちら